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肝臓癌

掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

肝臓癌の5年生存率と10年生存率

5年生存率

10年生存率

肝臓癌が転移しやすい箇所

肝臓癌

肝臓癌の転移は肝臓内で起こる事が多く、再発の80%は肝臓内転移ともいわれています。その他転移が多いのは肺、骨、リンパ節、副腎などです。

また、肝臓は他の部位の癌も転移してきやすいという特徴があり、転移してきて肝臓癌に至ったのを転移性肝癌といいます。

肝臓癌はどのような癌か

肝臓癌は肝臓の細胞が癌化して起こる「原発性肝癌」と他の臓器からの転移で起こる「転移性肝癌」があります。

原発性肝癌は肝臓の細胞が癌になる「肝細胞癌」と、胆管の細胞が癌になった「胆管細胞癌」とにわけられ、その大部分は肝細胞癌です。肝細胞癌は主に慢性ウイルス性肝炎(B型、C型)や肝硬変から発症する事が多いのが特徴です。

肝臓癌の主な症状

肝臓癌は初期の頃はほとんど自覚症状はありません。進行してくると全身の倦怠感、腹水、黄疸、肝性脳症、消化管出血といった肝炎や肝硬変で見られる症状が出現してきます。

肝臓癌特有の症状としてはみぞおちあたりに硬いしこりが生じたり、腹部に圧迫感、軽度の痛みが生じてきます。

肝臓癌が再発しやすい理由

肝臓癌は他の癌と比べても再発の可能性が非常に高い癌です。5年間で約70~80%の再発率といわれ、慢性肝炎や肝硬変といった癌になりうる病態が改善されない限り再発を繰り返します。肝臓には門脈という太い血管があり、全身に渡った血液が心臓に戻る際の通り道となるため、転移が多いとされています。

肝臓癌に用いられる治療法

肝臓癌の再発の場合、再発前に行った治療や進行度、患者の肝機能によっても異なってきます。再発が肝臓内での再発である肝内再発の場合、可能であれば外科手術で切除を行い根治を目指します。

肝臓以外にも転移が見られている場合や完全切除が出来ないと判断された場合は、癌と全身の状態に合わせて、マイクロ波凝固療法、ラジオ波熱焼灼術、エタノール注入療法、肝動脈化学塞栓術、肝動注化学療法、放射線治療などが行われます。

肝臓癌を再発させないための予防法

肝臓癌のリスクを高める要素として肥満、糖尿病、高脂血症、脂肪肝が挙げられます。これらは生活習慣の乱れから生じるため、普段の生活の見直しが重要となります。動物性脂肪の多い食物を避けたり、アルコールの過剰摂取は肝臓癌のリスクを高めるといわれています。またコーヒーが肝臓癌の予防に良いとのデータもあり、食事療法は有効となります。

他には、適度な運動を行う事で肥満や糖尿病、高脂血症を予防する事が可能なので運動療法も大切です。癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療を行う事が重要です。

肝臓がんのステージ

肝臓がんのステージ分類には、日本肝臓研究会による「臨床・病理原発性肝癌取扱い規約」と、国際規約である「TNM悪性腫瘍の分類(UICC)」の2種類があります。

ステージ分類

臨床・病理原発性肝癌取扱い規約による分類

Ⅰ期 (1)癌細胞は1つに限られ、(2)その大きさは2cm以下、(3)脈管(門脈、静脈、胆管)に広がっていない状態。
Ⅱ期 上記(1)~(3)のうち2項目が当てはまる状態。
Ⅲ期 上記(1)~(3)のうち1項目が当てはまる状態。
Ⅳa期 上記(1)~(3)のいずれも当てはまらない状態、あるいは(1)~(3)に関係なくリンパ節に移転が見られる状態。
Ⅳb期 上記(1)~(3)やリンパ節への転移の有無に関係なく、遠隔転移が見られる状態。

UICCによる分類

Ⅰa期 直径2cm以下の癌が1つだけ認められる状態。
Ⅰb期 血管侵襲(癌が血管内に入る混むこと)を伴わない、直径2cm以上の癌が1つだけ認められる状態。
Ⅱ期 血管侵襲を伴う直径2cm以上の癌が1つだけ認められる状態。あるいは直径5cm以下の癌が2つ以上認めらる状態。
Ⅲa期 直径5cm以上の癌が2つ以上認められる状態。
Ⅲb期 門脈、肝静脈の大分岐、あるいは胆のう以外の隣接臓器にまで癌が達している状態。あるいは癌が臓側腹膜を貫通している状態。
Ⅳa期 癌の大きさや浸潤度に関係なく、領域リンパ節(肝臓付近のリンパ節)に転移が認められる状態。
Ⅳb期 肝臓の大きさや浸潤度、リンパ節への転移の有無に関係なく、他の臓器への遠隔転移が認められる場合。

ステージの分類方法

前述の通り日本の臨床・病理原発性肝癌取扱い規約とUICCでは多少ステージの内容が異なる場合がありますが、いずれも同じ分類方法、「TNM分類」によって分類されています。つまり、「T=癌の大きさや個数、浸潤の度合い」、「N=リンパ節への転移の有無」、「M=遠隔転移の有無」の3要素を総合的に見て、癌がどの段階に達しているかを位置づけるのです。

ステージごとの治療方針

Ⅰ~Ⅱ期

癌が小さくて少なく、かつ治療に耐えられる肝予備機能がある場合には、ラジオ派を用いて腫瘍に熱を発生させ凝固させる「ラジオ波焼灼法」という選択肢があります。また、複数の癌がみられその大きさが3cm以上であったり脈管への広がりが見られる場合には、肝動脈に塞栓物質を注入して癌への栄養供給を阻害し、壊死させる「肝動脈塞栓療法」という治療法もあります。しかし癌細胞を全て切除し切れると判断される場合には、手術療法が一般的でしょう。術後は薬物療法で様子をみます。

Ⅱ~Ⅲ期

手術では切除しきれないと判断された場合には、放射線療法や化学療法がとられます。癌の数が3個以内、大きさが3cm以内(単発なら5cm以内)であれば、肝移植という選択肢もあります。

Ⅲ~Ⅳ期

癌により重度の肝障害に至っており肝移植でも回復が難しいと考えられる場合には、症状を抑える「緩和治療」が行われます。