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癌の再発を予防する食事療法。なぜ有効なのか、具体的な方法と併せて解説します。
適切な食事摂取は、全身の栄養状態を改善し、免疫機能の維持・向上、炎症の抑制、適切な体重の維持などを通して、癌の再発予防に重要な役割を果たすと考えられています。
癌と共存し、または癌の再発を予防するためには、バランスの取れた食事による体質管理が重要です。日々の食事は、癌の再発予防と治療効果の維持において、無視できない影響力を持っています。
基本として、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった必須栄養素を、多様な食品から過不足なく摂取することが推奨されます。不規則な食事や偏った食事を避け、規則正しい食生活を送ることが大切です。
過剰な塩分摂取は、胃粘膜への慢性的な刺激や炎症を引き起こし、萎縮性胃炎やヘリコバクター・ピロリ菌感染との関連も指摘されており、胃癌のリスクを高める可能性があります。
高濃度の塩分は、胃粘膜の保護機能を担う粘液層を損傷させる可能性があります。
牛、豚、羊などの赤肉や、ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工肉を過剰に摂取すると、大腸癌のリスクを高めることが、複数の研究で示唆されています。
その理由としては、以下の要因が考えられています。
赤肉は、鉄やビタミンB群などの重要な栄養素も含むため、摂取量と頻度に注意し、適量を守ることが重要です。
習慣的な多量のアルコール摂取は、肝臓癌、大腸癌、乳癌、肺癌、食道癌など、多くのがんのリスクを高めることが知られています。
アルコールそのものに加え、体内でアルコールが分解されて生じるアセトアルデヒドには発癌性があり、体内に長時間滞留することで、DNA損傷などを介してがんのリスクを上昇させると考えられています。
野菜、果物、全粒穀物、豆類、きのこ類、海藻類など、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール類、カロテノイド類などの抗酸化物質を豊富に含む食品の摂取が推奨されます。
これらの食品に含まれる多様な栄養成分は、細胞の酸化損傷を軽減し、免疫機能を維持し、全身の炎症を抑制するなどの作用により、がんのリスクを低減する可能性が示唆されています。
また、大豆製品に含まれるイソフラボンや、コーヒーや緑茶に含まれるポリフェノール類なども、特定のがんのリスク低下と関連する研究報告があります。
科学的根拠に基づいた情報を参考に、がん予防に良いとされる食品を積極的に食事に取り入れ、リスクを高める可能性のある食品の摂取を控えることで、がんになりにくい体質へと徐々に改善していくことが期待できます。
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