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がんの再々発は、なぜ起こってしまうのか気になっている方もいるのではないでしょうか。再々発は、がん細胞を取り切れていないことや、耐性が高いことなどさまざまな原因が挙げられます。
当記事では、再々発はなぜ起きるのかまとめるとともに、治療法や体験談などをご紹介します。
がん治療を受けていると、がんの再発は多くの方にとって不安になるものです。一度は治療が成功したとしても、がんが再発してしまうケースは、よくあるとされています。ここでは、がんが再発を繰り返してしまう理由や治療法、体験談などを解説します。
がんと診断された後、薬物療法や手術療法、放射線療法といった治療を受けることになります。しかし、治療を受けたとしても、がん細胞をすべて取りきることができず、身体に残存してしまうケースがあります。
上述した細胞は、検査をしても肉眼で確認できないほど小さく、それらは時間の経過とともに、再び増殖し、再発するリスクも。とりわけ、ストレスを受けていたり、免疫機能が低下していたりすると、がん細胞が増殖する可能性が高まるとされています。
体内にあるがん細胞は、リンパ液や血液などの流れに乗り、原発巣のほかの部位へ移動し、あらたに病巣を作る場合があります。がんが転移してしまうと、根治が難しい場合もあるため、なるべく早めにがんの再発予防の対策を講じることが重要です。
抗がん剤や放射線による治療を行ったとしても、がん細胞の中の一部は治療への耐性が高く、残存するリスクもあります。このような耐性のあるがん細胞は、増殖して、新たながん病巣を形成しやすく、再発のリスクが高まるため注意しなければなりません。
耐性のあるケースでは、一度効果が見られた薬剤であっても、再発した際には効果が薄れてしまうケースがあることから、新たな治療法を選択しなければなりません。
がん細胞の中には、「がん幹細胞」という呼び名の特殊な細胞があり、非常に強い生存能力を備えています。このような細胞は、治療を行ったとしても生き残る可能性が高く、再発する大きな要因とされています。がん幹細胞は、一般的ながん細胞よりも増殖するスピードが遅いとされており、治療のターゲットになりにくい性質があります。
再々発と診断されると、「もう治療法は残されていないのではないか」「薬物療法で受けられるものは、もうないかもしれない」と考えてしまうかもしれません。しかし、がんは、医療の発達によって、再発・再々発でもできる治療法が増えてきています。
一般的に、がん治療を行った後、再発や転移があると診断された場合、その治療法は抗がん剤を用いた治療、放射線療法、手術療法を行うほか、緩和ケアを取り入れることになります。抗がん剤による治療法は、投薬を継続するうちに、耐性が生じて効かなくなる時期がやってくるのが特徴です。
しかし、近年では、さまざまな新しい薬の開発が進み、その種類が増えたため、ほかの抗がん剤に切り替えを行うと、病状の進行を抑えられるケースもあります。
国立がん研究センターの発表した5年相対生存率という数値は、1993~1996年で53.2%・2011~2013年では68.9%とされており、およそ20年で15%(※)も高くなっているのが特徴です。加えて、上記データはおよそ10年前の医療レベルの話であり、現在では再発・再々発に対応できる手段が増えている※とされています。
(※がんの種類によります)
再々発と診断された方の声が気になっている方もいるのではないでしょうか。ここでは、そのような方の声をご紹介しますので、チェックしてみてください。
1回目の再発の際に、治療に専念するためにせっかく嘱託で続けていた仕事を辞めました。そして、2回目の再発の際に、これを飲んだらがんがきれいに消えるという高価な健康食品も購入するようになりました。それなのに3度目ですよ。腹が立って、情けなくて、“治療しても健康に気をつかっても再発したじゃないか”と妻に八つ当たりしました(中略)
できるだけ考えないようにしたんです。考え始めたら意識してテレビを見たり、趣味の盆栽をしたりしました。そうしたら“どんなに否定してもがんは体の中にあるんだから”“治療法があるだけありがたい”と開き直った心境になり、治療に前向きになりました