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掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
参照元:がん情報サービス/悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は全身に転移しやすい傾向にあります。リンパ系組織は全身を巡っているため、リンパ管や血管を介して癌細胞が色々な場所へと広がりやすいためです。
悪性リンパ腫は血液の癌で、白血球の中のリンパ球が癌化し異常に増え、リンパ節が腫れたり腫瘤が出来る疾患です。リンパ節で発生することが多いのですが、その他にも皮膚、脳、目、鼻腔、咽頭、甲状腺、肺、胃腸など様々な所で発生します。
悪性リンパ腫にはいくつか種類があり、進行度や癌の病理組織学的な特性によって分類されます。病理組織学的には「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」とに大きく分けられ、日本人の発症はほとんどが非ホジキンリンパ腫です。
悪性リンパ腫の症状は首やわきの下、鼠径部などのリンパ節が腫れてたり、しこりが生じる事が多く、あまり痛みを伴いません。ただし全身に症状が広がる場合は発熱、大量の寝汗、倦怠感、体重減少などの症状がみられます。
悪性リンパ腫には30種類を超える病型がありますが、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫のそれぞれで再発リスクが異なります。また、年齢や性別、血液データなどによって再発率や治療後の生存率が変動することも無視できません。
加えて、悪性リンパ腫が再発した場合、前回とは異なるタイプになっている可能性も検証することが必要です。そのため、再発した悪性リンパ腫を改めて検査して、検査結果の内容に応じて治療プランを考えます。当然ながら前回と異なるタイプであった場合、前回の治療とは異なる方法を選択されることもあるでしょう。
患者が65歳以下で、ドナーなどの条件がクリアできれば、造血幹細胞移植が選択されることもあります。
悪性リンパ腫は悪性度によって低・中・高と3種類に分けられます。低悪性度の悪性リンパ腫は進行が極めて遅いのですが再発率が高く、完治は困難といわれています。
悪性リンパ腫の治療は「抗がん剤治療」と「放射線治療」の二つが中心となります。悪性リンパ腫に対しては、いずれも比較的効果が得られやすいことが分かっているからです。併用して治療にあたることもあります。
また、ドナーから骨髄移植をして造血幹細胞移植療法(骨髄移植療法)を用いる場合もあります。悪性リンパ腫の治療では抗がん剤を大量に投与するため、癌細胞だけでなく正常な血液を作る機能も破壊されてしまうからです。そうなっては自己修復は不可能なため、ドナーからの骨髄移植に頼る必要があります。
癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療を行う事が重要です。
悪性リンパ腫における中心的な治療法として薬物療法が選択されます。薬物療法では、細胞障害性抗がん剤(抗がん剤)や分子標的薬を投与することにより、癌細胞が小さくなることを期待します。また、点滴や注射、内服などで体内へ入った薬剤は血流に乗って全身へ回るため、すでに判明している癌だけでなく、未発見の癌細胞にも効果を期待することが可能です。
悪性リンパ腫の化学療法として用いられる抗がん剤には様々な種類があり、悪性リンパ腫の病型によって複数の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法が一般的です。
化学療法は外来治療や入院によって進められ、通常は3~4週間を1コースとして、数コースが繰り返されます。
抗がん剤の使用には副作用があると知られており、抗がん剤の種類や投薬量によって副作用の内容や強度も変わります。副作用の程度によっては治療プランの見直しも必要になるため、気になる場合は速やかに主治医へ相談しなければなりません。
抗がん剤治療の目的は、がん化してふえたがん細胞を減らすことですが、正常な血液細胞もダメージを受けて、一時的に減少します。一般的な副作用は、骨髄抑制や吐き気、嘔吐、下痢 、口内炎 、脱毛、発熱などです。予測される副作用に対して対策を立てて治療を行います。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
分子標的療法で用いられる薬剤には、癌細胞に特徴的とされる分子をターゲットとして作用する薬剤が使用されます。また、従来の化学療法で使用される抗がん剤とセットで分子標的薬が使われることもあります。
分子標的薬は、ターゲット分子を持つ癌細胞を直接に攻撃する上、体内の免疫システムと連携して癌細胞を破壊する治療薬です。ターゲット分子によって使用する分子標的薬も変わるため、どのような治療薬を選択するかは検査で癌の種類を見極めた上で判断されます。
代表的な分子標的薬は、B細胞の表面にある「CD20」という分子を標的とするリツキシマブです。リツキシマブはCD20に結合することで、直接的に腫瘍細胞を破壊するだけでなく、腫瘍細胞を標識することで免疫細胞の働きを借りて腫瘍細胞を破壊します。CD20は、B細胞に由来するリンパ腫細胞の表面に存在するため「CD20陽性のB細胞非ホジキンリンパ腫」の治療に使用されます。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
分子標的は、従来の抗がん剤と比較して脱毛や吐き気といった副作用が少ないとされていることがポイントです。ただし副作用のリスクはゼロでなく、治療中は必ず医師の監督や指導を受けながら療養することが大切です。
分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べて吐き気や脱毛などの副作用は少ないとされていますが、リツキシマブの場合、投与して間もなくアレルギー症状のような副作用のインフュージョンリアクションが起こることがあります。また肺障害や心臓障害にも注意が必要です。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
放射線治療は、強力なエネルギーを有するX線を癌細胞へ照射して、癌細胞を攻撃する治療法です。放射線治療では、放射線照射によって癌細胞を直接に破壊したり、縮小させたりすることが期待されます。そのため、病巣が小さい場合や癌が一カ所だけに限定されている場合、放射線治療によって望ましい効果を得られることもあるでしょう。また、早期の悪性リンパ腫において、化学療法と組み合わせて放射線治療が選択されることもあります。
ただし、放射線治療では癌細胞だけでなく、周囲にある正常な細胞まで放射線によって攻撃してしまうリスクがあり、それによって副作用が生じることもあります。
局所的な放射線治療の副作用では、放射線を照射した部位の皮膚や粘膜の細胞が破壊され、炎症を引き起こすといったものが一般的です。また、全身症状としては吐き気や嘔吐、倦怠感など様々な副作用があり、場合によっては食欲低下や白血球減少で体の免疫機能が低下する可能性も。そのため、放射線治療の副作用が生じた場合、症状の内容や程度に応じて副作用を抑える治療を行いつつ、感染症予防など健康的な生活習慣を心がけることが必要です。
一般的に、放射線治療の副作用は、緩和治療を始めてから2~4週間程度で改善するとされています。
造血幹細胞移植とは、血液を造る細胞(造血幹細胞)を、提供者(ドナー)から採取して患者へ移植する治療法です。造血幹細胞は通常、人間の骨髄の中にあり、移植方法としてはドナーの骨髄から採取した骨髄液を患者へ投与するものと、薬剤によって増幅した造血幹細胞をドナーから採取して患者へ移植するといったものがあります。
悪性リンパ腫の治療によって骨髄機能が低下すると、患者の体は血液を造れなくなり、深刻な状態に陥ります。そのため、放射線治療や化学療法を行って問題のある患者の造血幹細胞を排除した上で、ドナーから健康な造血幹細胞を移植してもらうことが必要です。
しかし、造血幹細胞移植を実施するには、まずドナーとして適合する人を見つけなければなりません。造血幹細胞移植に適合するドナーは兄弟姉妹を除くと発見の可能性が低くなるため、ドナーが見つかるまで輸血などによる治療が併用されます。
悪性リンパ腫は様々な病型を持っているため、患者の悪性リンパ腫がどのようなタイプであるのか、検査によって詳細を確認しなければなりません。
検査には複数のものがあり、目的によって使い分けることが求められます。
悪性リンパ腫の病型を診断し、治療プランを選択するために、最重視されるのがリンパ節生検や腫瘍生検といった病理検査です。
腫瘍の一部を切り取り、細胞の状態を顕微鏡下で観察します。悪性リンパ腫の病型は細かく分類されており、癌細胞の状態と照らし合わせながら癌のタイプを判断します。また、採取された細胞は、改めて染色体検査や遺伝子検査へ使用されることもあるでしょう。
血液細胞に由来する悪性リンパ腫は、血液が巡る全身に癌が発生したり転移したりするリスクがあります。そのため、治療を開始する前にどの程度の範囲で癌が広がっているのか、正確に診断されなければなりません。
加えて、悪性リンパ腫の治療では化学療法をベースとした全身療法が基本となるため、そもそも抗がん剤などを使用できるかどうか患者の健康状態を確認することも重要です。
血液検査や尿検査によって、全身の状態を総合的に診断します。特に肝臓や腎臓の機能を確認して、化学療法などに耐えられる状態か、副作用のリスクなども含めて検討します。
画像診断には、一般的なレントゲン撮影や、超音波を利用した臓器のエコー検査(超音波検査)などの他にも、CT検査やMRI検査といったものがあり、必要に応じて実施されることが必要です。
癌細胞は健常な細胞よりも多くのエネルギーを使うという性質から、癌細胞は積極的にエネルギー源(糖分)を接種しようとします。そのため、あらかじめ放射性物質を含ませたブドウ糖液を投与した上で、放射線を追跡する特殊カメラを活用して、どの部位に癌細胞があってブドウ糖液が集中しているのか診断することが可能です。
放射性物質を含んだブドウ糖液の薬剤を注射し、薬剤が臓器や組織に取り込まれた状態(体内分布)を特殊なカメラで映像化します。他の検査に比べて小さな(早期の)病変を検出できるため、悪性リンパ腫では治療効果の判定にも積極的に用いられています。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
悪性リンパ腫では骨髄にも影響を及ぼしやすいため、骨髄を採取して癌の有無を検査します。
腰の骨に針を刺して骨髄液を吸引する骨髄穿刺や、少量の組織を採取する骨髄生検で骨髄中の細胞や組織の検査を行います。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
悪性リンパ腫では消化管へ癌が浸潤しているケースも多く、内視鏡検査によって消化管内の状況を確認することも大切です。
内視鏡検査では、胃の内壁を撮影した映像を医師が観察したり、組織の一部を採取して状態を確認したりします。また、大腸への浸潤を起こしやすいというリスクから、必要に応じて大腸内視鏡検査を実施することもあります。
主に胃の内視鏡検査が行われ、胃の内部を直接観察して病変の有無を調べたり、組織を採取したりします。MALTリンパ腫はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が発症に関連していることが多いため、感染の有無についても検査を行います。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
悪性リンパ腫が脳や脊髄へ拡大していると疑わしい場合、腰椎に針を刺して脳脊髄液を採取し、検査します。
悪性リンパ腫の原因として、ウイルス感染が考えられることもあるでしょう。また、ウイルス感染があった場合、治療中に合併症のリスクが増大します。そのため、ウイルス感染など危険因子の有無についても検査することが必要です。
悪性リンパ腫の進行度を確認するための指標として、血液中の特定の成分を確認することもあります。また、これらを確認することで治療効果を判断することも可能です。
ただし、検査結果だけで完全に癌の進行度や治療効果を確定することはできず、あくまでも総合的な診断が大切です。
血液検査で病気の勢いを示す指標として血清LDH(乳酸脱水素酵素)、CRP(C反応性蛋白)、可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)などがあります。ただし、これらの検査結果のみで悪性リンパ腫の病状の進行を正確に評価したり、悪性リンパ腫と診断したりすることはできません。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/treatment.html)
Ⅰ期 | リンパ腫(癌)がリンパ節あるいはリンパ組織の1ヵ所だけに見られる状態。またはリンパ腫がリンパ外臓器に1ヵ所だけ見られる状態。 |
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Ⅱ期 | リンパ節やリンパ組織の中に2つ以上のリンパ腫が見られるが、横隔膜を境にしてその上側(上半身)か下側(下半身)のどちらか一方にだけ見られる状態。あるいはリンパ外臓器に1ヵ所とリンパ節にも1ヵ所以上のリンパ腫が見られるが、横隔膜を境にして上半身か下半身のどちらか一方だけに見られる状態。 |
Ⅲ期 | リンパ腫が横隔膜を境に上半身と下半身の両方に見られる状態。 |
Ⅳ期 | リンパ腫がリンパ外臓器や皮膚、骨髄、血液中などに広範囲に広がっている状態。 |
また悪性リンパ腫では、以下の3つの全身症状のどれにも当てはまらない場合を「A」、1つでも当てはまる場合を「B」と分類します。
例えば上半身に限定して2ヵ所以上リンパ節にリンパ腫が見られ、38度以上の発熱がある場合には「Ⅱb期」、リンパ腫が上半身と下半身の両方に見られるものの著しい発熱も寝汗も体重減少もない場合には「Ⅲa期」と判断されるわけです。
悪性リンパ腫には「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2種類があり、本来ホジキンリンパ腫のために作られた「AnnArbor分類」という分類法を、非ホジキンリンパ腫にも利用しています。
ホジキンリンパ腫では、Ⅰ~Ⅱ期を「限局期」、Ⅲ~Ⅳ期を「進行期」としており、非ホジキンリンパ腫では「低悪性度リンパ腫(年単位の進行)」、「中悪性度リンパ腫(週~月単位の進行)」、「高悪性度リンパ腫(日~週単位の進行)」の3つに分類しています。
悪性リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫とがありますが、ここでは日本人の罹患率が高い非ホジキンリンパ腫の治療について説明します。
Ⅰ~Ⅱ期:
Ⅱ期でも2つのリンパ腫の距離が近い場合には、放射線治療で局所的に癌を攻撃します。進行が非常に穏やかであるため、あえてすぐには治療に入らない「経過観察」がとられる場合もあります。
Ⅱ~Ⅳ期:
化学療法で癌細胞の増殖を抑えます。
Ⅰ~Ⅱ期:
化学療法または放射線療法、あるいはその両方を併用して治療します。
Ⅲ~Ⅳ期:
抗がん剤による化学療法を中心とした治療になります。
Ⅰ~Ⅳ期:
抗がん剤による化学療法が行われます。