掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
悪性リンパ腫は全身に転移しやすい傾向にあります。リンパ系組織は全身を巡っているため、リンパ管や血管を介して癌細胞が色々な場所へと広がりやすいためです。
悪性リンパ腫は血液の癌で、白血球の中のリンパ球が癌化し異常に増え、リンパ節が腫れたり腫瘤が出来る疾患です。リンパ節で発生することが多いのですが、その他にも皮膚、脳、目、鼻腔、咽頭、甲状腺、肺、胃腸など様々な所で発生します。
悪性リンパ腫にはいくつか種類があり、進行度や癌の病理組織学的な特性によって分類されます。病理組織学的には「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」とに大きく分けられ、日本人の発症はほとんどが非ホジキンリンパ腫です。
悪性リンパ腫の症状は首やわきの下、鼠径部などのリンパ節が腫れてたり、しこりが生じる事が多く、あまり痛みを伴いません。ただし全身に症状が広がる場合は発熱、大量の寝汗、倦怠感、体重減少などの症状がみられます。
悪性リンパ腫は悪性度によって低・中・高と3種類に分けられます。低悪性度の悪性リンパ腫は進行が極めて遅いのですが再発率が高く、完治は困難といわれています。
悪性リンパ腫の治療は「抗がん剤治療」と「放射線治療」の二つが中心となります。悪性リンパ腫に対しては、いずれも比較的効果が得られやすいことが分かっているからです。併用して治療にあたることもあります。
また、ドナーから骨髄移植をして造血幹細胞移植療法(骨髄移植療法)を用いる場合もあります。悪性リンパ腫の治療では抗がん剤を大量に投与するため、癌細胞だけでなく正常な血液を作る機能も破壊されてしまうからです。そうなっては自己修復は不可能なため、ドナーからの骨髄移植に頼る必要があります。
癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療を行う事が重要です。
Ⅰ期 | リンパ腫(癌)がリンパ節あるいはリンパ組織の1ヵ所だけに見られる状態。またはリンパ腫がリンパ外臓器に1ヵ所だけ見られる状態。 |
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Ⅱ期 | リンパ節やリンパ組織の中に2つ以上のリンパ腫が見られるが、横隔膜を境にしてその上側(上半身)か下側(下半身)のどちらか一方にだけ見られる状態。あるいはリンパ外臓器に1ヵ所とリンパ節にも1ヵ所以上のリンパ腫が見られるが、横隔膜を境にして上半身か下半身のどちらか一方だけに見られる状態。 |
Ⅲ期 | リンパ腫が横隔膜を境に上半身と下半身の両方に見られる状態。 |
Ⅳ期 | リンパ腫がリンパ外臓器や皮膚、骨髄、血液中などに広範囲に広がっている状態。 |
また悪性リンパ腫では、以下の3つの全身症状のどれにも当てはまらない場合を「A」、1つでも当てはまる場合を「B」と分類します。
例えば上半身に限定して2ヵ所以上リンパ節にリンパ腫が見られ、38度以上の発熱がある場合には「Ⅱb期」、リンパ腫が上半身と下半身の両方に見られるものの著しい発熱も寝汗も体重減少もない場合には「Ⅲa期」と判断されるわけです。
悪性リンパ腫には「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2種類があり、本来ホジキンリンパ腫のために作られた「AnnArbor分類」という分類法を、非ホジキンリンパ腫にも利用しています。
ホジキンリンパ腫では、Ⅰ~Ⅱ期を「限局期」、Ⅲ~Ⅳ期を「進行期」としており、非ホジキンリンパ腫では「低悪性度リンパ腫(年単位の進行)」、「中悪性度リンパ腫(週~月単位の進行)」、「高悪性度リンパ腫(日~週単位の進行)」の3つに分類しています。
悪性リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫とがありますが、ここでは日本人の罹患率が高い非ホジキンリンパ腫の治療について説明します。
Ⅰ~Ⅱ期:
Ⅱ期でも2つのリンパ腫の距離が近い場合には、放射線治療で局所的に癌を攻撃します。進行が非常に穏やかであるため、あえてすぐには治療に入らない「経過観察」がとられる場合もあります。
Ⅱ~Ⅳ期:
化学療法で癌細胞の増殖を抑えます。
Ⅰ~Ⅱ期:
化学療法または放射線療法、あるいはその両方を併用して治療します。
Ⅲ~Ⅳ期:
抗がん剤による化学療法を中心とした治療になります。
Ⅰ~Ⅳ期:
抗がん剤による化学療法が行われます。