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癌が再発する原因

掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

癌が再発するメカニズムとは?

癌の治療を受けて一旦症状がなくなってから、再び癌が出現することを「癌の再発」といいます。

最初の治療で癌が完全に取り除ければ再発することはありません。しかし、それが叶う確率はとても低いと言われています。治療をして癌を完全に取り除いたようでも、検査でも見つけられない微細な癌細胞が残っている場合があります。

その残った癌細胞が時間の経過により大きくなり、再び現れるのが再発のメカニズムです。

再発の種類

原因
原因

再発は大きく二つに分けられます。

残った癌細胞が血管やリンパ管を通って全身を巡り、他の場所で増殖して大きくなると「癌が転移した」とされます。

癌の再発が起きやすくなる状況

癌が再発しやすくなる状況としては、主に次の3つが挙げられます。

免疫力は癌の進行速度や治療効果を大きく左右する大事な要素となりますし、食事・アルコール・喫煙などの生活習慣も再発に大きく関与します。また、術後補助療法を受けることで癌の再発や転移の危険性を大きく減らす事が可能です。

免疫力が低下している

免疫力とは体内に入ったウィルスや細菌を攻撃し自分の体を守る能力をいいます。癌を治療するには、免疫力が正常に働いていることは不可欠です。

癌の再発予防として抗癌剤や放射線治療が行われますが、体に残った癌細胞をいくら放射線や抗がん剤で叩いたとしても、患者さんの免疫力が弱っているとその効果も得られず、癌は増殖を続けてしまいます。

生活習慣が乱れている

生活習慣の乱れは癌の再発のリスクを高めると言われています。例を挙げると乱れた食生活、喫煙、過度なアルコール摂取、運動不足、体重の増加等があり、これらは癌の再発を高めると言うデータもあります。またこのような生活習慣の乱れは先ほど挙げた免疫力の低下に繋がり、結果として癌再発を招いてしまいます。

術後補助療法を行っていない

術後補助療法とは癌の手術後に、癌の再発や転移の危険性を減らす目的で行われるもの。抗がん剤治療や放射線治療などが当てはまります。

手術の時点では見つけられなかった小さな癌細胞を根絶し、再発のリスクを大きく減らすことができます。

その他の原因

その他、癌の再発が起きやすくなる原因としては、ストレスも挙げられます。

ストレスは様々な病気を引き起こしますが、癌も例外ではありません。ストレスを抱える事によって自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位に働いたり、ホルモンの分泌異常などが引き起こされます。

そういった原因から免疫力が低下し、結果として癌の再発を招いてしまいやすい身体となるのです。

がん再発の要因5つをさらに詳しく解説

がん幹細胞の役割:再発の“種”となる特別な細胞

がんの中には「がん幹細胞」と呼ばれる、庭の雑草の根っこのような細胞があります。通常のがん細胞は治療で多くを取り除くことができますが、このがん幹細胞は根っこのようにしっかりと体内に残り、再び芽を出して新しい癌を作り出すことがあります。

遺伝子変異と腫瘍異質性:癌の「顔」がたくさんある理由

癌は、一つの細胞から始まりますが、成長する過程でどんどん変わっていきます。これは、家族写真でみんな似ているけど、一人ひとり表情や服装が異なるようなものです。つまり、同じ癌でも内部でいろいろなタイプの細胞が混ざり合っているのです。

治療抵抗性のメカニズム:癌が「頑固」である理由

治療抵抗性とは、まるで頑固な泥棒が家から逃げるように、癌細胞が薬や放射線といった治療から逃れようとする仕組みのことです。治療で大部分の癌細胞を倒しても、少しの残りが逃げ切ると、そこからまた新しい癌が生まれてしまいます。

切除の不完全性と局所侵襲の詳細:手術後に残る見えない「後片付け」の難しさ

手術で癌を取り除くことは、庭の雑草を抜くことに例えられます。目に見える雑草は抜けても、根っこや小さな芽が残ると再び雑草が生えてきます。手術でも、目で見える癌は除去できても、見えない微小ながん細胞が残ってしまうことがあるのです。

腫瘍微小環境の影響:癌を取り巻く「土壌」の力

癌細胞は、単独で存在するわけではなく、周囲の「土壌」とも言える腫瘍微小環境(TME)の影響を大きく受けます。これは、植物が栄養豊かな土壌でよく育つのと同じで、癌細胞も良い環境があれば成長しやすくなります。