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温熱療法(ハイパーサーミア)

掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

温熱療法(ハイパーサーミア)とは?

温熱療法はハイパーサーミアとも呼ばれ、がん細胞を温めることによって治療を行なう手法のことを指します。というのも、がん細胞は通常の細胞と比較して熱に弱いという特性を持っているため、温めることによってダメージを与えて壊すことができるといわれているからです。

どうやってがん細胞を温めるかというと、電磁波を用います。電磁波の照射によって局所的に温度を上げることができ、脳や眼球といったデリケートな場所以外には使用することができるのも特徴です。

がん細胞は温度が上がりやすいという性質を持っています。正常な細胞は血管拡張によって上がった熱を放出することができるものの、がん細胞は血管拡張自体を行なえないのです。

また、ハイパーサーミアは一般的に手術や放射線治療、化学療法などとあわせて行なうことができます。がんによる痛みを和らげる効果もあることがわかっているようです。

再発した癌に行なえる温熱療法(ハイパーサーミア)とは?

ハイパーサーミアは他の療法と合わせて行なうことが多く、補助療法として用いられています。他の療法の効果には影響をほとんど与えないので、組み合わせて行なうことができるようです。

また、手術で取り切れないがんや、放射線治療でも効果のないがんについても適用可能で、再発がんについても腫瘍の縮小の効果があったり、延命措置につながったりすることがわかっています。

温熱療法(ハイパーサーミア)の特徴

ハイパーサーミアは体のほとんどの部位に適用可能です。基本的な原理は、電磁波を使って対象とする体の部位を温めるだけですが、脳や眼球などの熱に対してセンシティブな箇所には用いることができません。

どの程度温める必要があるのか気になるところですが、おおむね43度から44度程度までとなっています。というのも、温めやすく高温に弱いがん細胞は、42~43度を超えると死んでしまいます。正常な細胞が46度までは耐えられるので、42~43度あたりまで温度を上げることによって効果が得られるのです。

43度といえば少し熱いお風呂程度ではあるものの、人間の平常時の体温が36.5度程度であることを考えると細胞には負担がかかることになります。

ハイパーサーミアを受ける頻度についてはかなり個人差があるようですが、一般的に1週間に1回程度の方が多いようです。もちろん手術後すぐには適用が難しいなどの条件があるため、医師の適切な判断のもと、ハイパーサーミアが可能かどうかを検討してください。

温熱療法(ハイパーサーミア)のメリット・デメリット

メリット

ハイパーサーミアのメリットは、他の療法と併用が可能なところです。再発してしまったがんに対しても効果があるといわれています。また、がんによる痛みの緩和の効果もあると言われており、どのステージのがんにも適用可能です。

デメリット

ハイパーサーミアには副作用やデメリットもあります。

局所的に体の部位を温めるため、施術中は多量の汗をかくことになるのが1つ。これによって熱中症に見舞われたり、脱水症状が出たりすることがあります。

また、施術は一般的に1時間程度とされていますが、温めた患部に熱傷ができることも。体全体の温度も上昇するため、筋肉の張りや倦怠感といった症状が出ることもあるのです。

ただ、これらの副作用は一時的なものであり、他の治療方法への影響はありません。他の療法の副作用に見られる脱毛や吐き気といった症状もありません。

温熱療法(ハイパーサーミア)とあわせて行ないたい治療

ハイパーサーミアが他の療法と併用可能であることはお伝えしましたが、具体的にどのような療法と併用されるケースが多いのか、がん再発の場合はどの組み合わせが多いのかといった点から他の治療法を紹介します。

外科手術

がん治療の主な方法は外科手術であることは変わりありません。

がんの種類を特定する病理検査のために病変採取するのも、外科手術で行なわれることが多いようです。

ハイパーサーミアは手術前からはじめ、腫瘍を縮小したうえで外科手術を行なうこともあります。機能保全のために行なわれることも。

がん再発の場合は、すぐに外科手術に踏み切ることは少なく、化学療法や放射線治療を行なうことが一般的です。

化学療法

化学療法は外科手術後もあわせて行なうことが多く、ハイパーサーミアと並行して受けられます。

抗がん剤治療では、薬剤がどの程度効くかがポイントとなってきますが、ハイパーサーミアと合わせて行なうことで相乗効果が期待できるようです。

放射線療法

ハイパーサーミアはもともと放射線治療の効果アップのために開発された手法のため、放射線治療とも併用が可能です。相性は良いでしょう。

放射線治療だけでは大きな効果が期待できない場合でも、ハイパーサーミアを並行して施術することで相乗効果が期待できます。

免疫療法

ハイパーサーミアは人間の身体が本来持っている免疫力を高める効果があるといわれています。そのため、免疫療法とも相性が良く、併用が可能です。

がん再発を抑えるうえでも、免疫を高めることは有用であることがわかっているので、合わせて行なう方が多いようです。体の免疫を整え、本来の免疫力を取り戻し、さらに高めることができれば転移や再発の対策として効果が期待できるでしょう。