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「二次癌」と「再発」にはどのような違いがあるのでしょうか。
二次癌は、がん治療のために用いた抗がん剤や放射線治療の影響から、2つ目のがんを発症することを指し、再発癌は手術で取り切れなかった・微細な病巣が残存していて、また出現してしまった状態を言います。
ここでは、両者にはどのような違いがあるのかまとめ、治療戦略についても解説します。
がん治療のために用いた抗がん剤や放射線治療の影響から、2つ目のがんを発症するケースがあり、これを二次癌と呼びます。
がんが初発の際には、年齢や性別、飲酒、喫煙、家族歴といった遺伝的要素やがん発症リスク因子が発症に影響しています。一方、二次がんの場合、がん治療や治療後の合併症などの因子がプラスされ、より複雑な病態となるのが特徴です。
発症する部位としては口腔内や食道が多く、移植などの治療を受けていない方と比較して、発症リスクが10倍に増加するとされています。血液がんにかかり骨髄移植をした場合は、移植を受けていない人と比較して、皮膚がんや大腸がんのリスクも増えるとされています。
参照元:二次がんについてPDF
がんの再発は、治療が成功したように思えても、手術で摘出や切除をしきれていなかった小さながん病巣が残存しており、また出現することを指します。
または、薬物療法や放射線療法といった治療で一時は小さくなった病巣が再度増殖したり、別の部位に出現したりすることです。
治療した部位周辺で再発するだけではなく、別の部位で「転移」としてがんが発見されるケースも含めて呼びます。
がんの再発・転移は、その成り立ちと分類により、以下の3タイプに分けられるとされています。
参照元:がん情報サービス
二次がんは、放射線療法や化学療法によって正常細胞が傷害されることにより、治療後、数年から数十年後に元々の疾患とは別の種類のがんを生じてしまうことです。
がんの再発はすべての種類で判明しているわけではないとされており、部位によっても異なるため、代表的ながんを例に挙げて解説します。
なお、再発の多くは、初回の治療終了後から2年以内に起こるのが特徴です。
参照元:二次がんについてPDF
※参照元:がん情報サービス
※参照元:一般社団法人がん難病サポート協会
二次がんとは、白血病や小児がんといった元々の疾患と異なるがんのうち、初発のがんの治療が原因で発症するがんを言います。発症する部位は、口腔内や食道が多いのが特徴です。
再発は、抗がん剤による薬物療法や放射線治療で一時は小さくなった病巣が再度大きくなったり、別の部位に出現したりすることです。また、免疫機能が低下しているケースや、ストレスが続いてしまうと、がん細胞が増殖するリスクがあります。
上記以外には、薬物療法や放射線治療を行っても、がん病巣の一部が治療へ耐性ができ、残存するケースも。このような耐性のある細胞は増えてしまい、新たな腫瘍を形成することから、再発のリスクも高まります。
二次がんの治療における原則は、新たながんとして治療することです。二次がんの種類や進行度、患者の全身状態によって治療法は異なりますが、主に外科的治療や放射線治療、薬物療法、免疫療法などが選択肢となります。
再発してしまった際の治療の原則は、「同じがん」の治療を継続することです。
局所でがんの再発が発見されたケースでは、初期治療と同様に外科治療や放射線治療、抗がん剤治療を組み合わせて治療を行うケースも。
遠隔転移が見られる場合、1つの臓器だけに見つかったとしても身体のさまざまな部位へ小さながん細胞が散らばっている可能性も。そういったことを考慮しながら、患者の全身状態や検査値、がんの種類などに合わせた化学療法をメインに、がん細胞の縮小や進行を抑えていきます。
再発が見つかった際の治療目標は、多くのケースで初回とは異なり、がんの進行を抑えること、痛みや苦痛といった不快な症状を軽減することが挙げられます。
二次癌とは、元の疾患と異なるがんのうち、初めに行われたがん治療が原因となり発症するがんのことです。
再発は、手術や治療が無事に終わったように見えても、切除しきれていない、微細な病巣が残っていて再び出現したことを指します。
両者は、発生のタイミングや原因をはじめ、治療戦略も異なるとされています。
どちらの場合であっても、治療をはじめる際には、まず自分の状態を把握し、痛みや不快な症状がある場合には、その症状を緩和させる治療を受けることが重要です。
治療の選択肢にはどのようなものがあるのか、主治医としっかり話し合いを行い、納得のいく治療法を選択することが重要です。