癌の再発と上手に付き合うためのサイト » 癌治療で押さえておきたい情報 » 再発癌治療の選び方

公開日: |更新日:

再発癌治療の選び方

掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

癌治療には保険適用の標準治療から、自由診療、あるいは科学的根拠が必ずしも十分でない民間療法のような治療まで多岐にわたりますが、再発癌治療にはどのような治療法を選べば良いのでしょうか。ここでは再発癌治療の選び方について解説しています。

再発癌治療の種類

再発癌治療には大きく分けて、保険適用となる「標準治療」と、保険適用外の「自由診療」や、保険診療との併用が認められる「先進医療」「患者申出療養」などがあります。

標準治療

標準治療とは、質の高い臨床試験など科学的・医学的根拠にもとづいて推奨される治療であり、現時点で国内で利用できる治療として「最良の治療」と考えられている治療法です。また、治療効果と安全性が公的に認められている治療法でもあり、健康保険の適用対象となっていることも特徴です。

癌の標準治療としては一般的に、手術、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療の3種が「三大治療」とされてきましたが、近年ではこれらに加えてがん細胞の遺伝子変異を調べて薬剤を選択する「がんゲノム医療」もあります。癌の種類や進行度、患者さんの状態、遺伝子変異情報などによってそれぞれ適切な標準治療が選択されます。

標準治療は必ずしもいわゆる最先端の治療法とは限りません。場合によっては最初に癌を発症した時の治療と、再発癌の時の治療と、同じ種類の治療法が選択されることもあります(使用する薬剤が変わることはあります)。そのため、標準治療を受けても癌が再発してしまった場合、もっと他の治療法がないかと考える人もいるでしょう。

そのような場合は、セカンドオピニオンとして他の医師の意見を聞いて、改めて別の標準治療や、標準治療として選択肢がないかを検討することも可能です。

標準治療以外の治療法

標準治療の他にも、現在は国内の大学病院やがん専門病院、あるいは個人クリニックなどで様々な癌治療が提供されている場合があります。その種類は特定の遺伝子変異を標的とする治療や温熱療法、食事や運動、サプリメントなどを活用するものまで様々です。また、国内で標準治療として認められていないものの、海外では承認され、広く用いられている治療法もあります。

標準治療ではない癌治療の中には、「最先端の治療」という宣伝文句を使っていたり、古くから伝わってきた民間療法を応用したりと、色々なものがあります。しかし、いずれにしても日本で公的に効果や安全性が十分に認められているものではない場合が多く、まずは標準治療を検討することが原則です。

保険適用について

標準治療ではない治療を受ける場合、多くは「自由診療」となり、原則として保険適用がされず、全額自己負担となります。
また、原則として、保険適用される標準治療と、保険適用外の自由診療を同時に受けること(混合診療)は認められていません。混合診療と判断された場合、標準治療部分も含めて全額が自己負担となる可能性があるため、注意が必要です。
ただし、例外として「先進医療」や「患者申出療養」の制度では、承認された特定の治療について、保険診療との併用が認められています。この場合、保険適用される部分(診察、検査、入院料など)は通常の保険診療と同様の自己負担割合となり、保険適用外の先進医療等の技術料部分が全額自己負担となります。

専門医の診断で適切な標準治療を選ぶ

自由診療や民間療法を受けた癌患者の中には、主観的に治療効果を感じていたり、結果的に癌が治ったりするケースも報告されることがあります。しかし、客観的なデータに基づき、多くの患者さんにとって高い有効性と安全性が証明された治療法であれば、標準治療として承認されるプロセスがあります。標準治療となっていない治療法は、その効果や安全性が科学的に十分に確立されていない、あるいは特定の患者さんにしか効果がない可能性があると考えられます。

そのため、再発癌治療を選ぶ際は、何よりもまずしっかりと専門医の診断を受けて、ご自身の病状や遺伝子情報なども踏まえ、最適と思われる標準治療をきちんと検討していくようにしてください。
セカンドオピニオンも活用し、複数の専門家の意見を聞くこと、信頼できる情報源(公的機関、学会のガイドラインなど)から多角的に情報を収集し、主治医と十分に話し合うことが極めて重要です。