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行なうべき検査

掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

癌の再発を調べる検査の種類

問診・診察

癌治療後の問診・診察の頻度は、癌の種類、病期、治療内容、患者さんの状態、そして医療機関の方針によって異なりますが、一般的には治療後2~3年は3~6ヶ月に1回程度、それ以降は年1回程度の定期的な受診が推奨されます。

何か異常や気になることがある場合は、診察日を待たずに受診することが重要です。診察では視診や触診で、リンパ節の腫れや異常がないかなどを確認します。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査とは、癌細胞や癌に反応した細胞が産生する特定の物質を測定する血液検査です。癌の種類によって様々な腫瘍マーカーがあり、治療効果の判定や再発の早期発見の補助として用いられます。しかし、早期の癌では上昇しないことや、癌以外の病気でも上昇することがあるため、単独での診断には限界があります。癌の種類や進行度によって異なりますが、一般的には3~6ヶ月に1回程度、他の検査と併用して行われることが多いです。

適用範囲

腫瘍マーカーは癌の種類ごとに異なるため、特定の癌に関連するマーカーが測定されます。

注意点

腫瘍マーカーの上昇は必ずしも再発を意味するものではありません。良性疾患や炎症、喫煙などによっても数値が変動することがあります。そのため、腫瘍マーカーの結果は、画像診断や他の臨床所見と合わせて総合的に判断されます。

画像診断

X線検査

X線を使用して主に胸部の肺や骨の状態を確認する検査です。簡便で比較的被曝量が少ないですが、小さな病変や軟部組織の評価には限界があります。

CT(コンピュータ断層撮影)

X線とコンピュータ処理を用いて、体内の断面を詳細に画像化する検査です。腫瘍の有無、大きさ、広がり、リンパ節や他の臓器への転移の評価に非常に有効です。

胸部CT検査

胸部CT検査は、肺の内部構造を詳細に描出し、通常のX線検査では発見が難しい早期の肺癌や小さな転移病巣の発見に役立ちます。

X線検査では、骨や心臓などの陰影に隠れて見えにくい部分もCTでは明瞭に確認できます。放射線被曝については、最新の機器では低線量化が進められており、必要に応じて適切な防護が行われます。

検査頻度は、癌の種類や病期、治療後の経過によって異なりますが、一般的には術後1~3年は3~6ヶ月に1回程度、その後は年1回程度推奨されることがあります。

腹部CT検査

腹部CT検査は、肝臓、胆道、膵臓、腎臓、脾臓、消化管など、腹部内臓器の異常を発見するために行われます。癌の再発や転移の有無、治療効果の判定に重要な役割を果たします。

腫瘍マーカーと併用することで、肝臓癌や膵臓癌などの診断精度を高めることができます。造影剤を使用することで、血管や腫瘍の性状をより詳しく評価することが可能です。

検査頻度は、癌の種類や病期、治療後の経過によって異なりますが、一般的には術後1~3年は3~6ヶ月に1回程度推奨されることがあります。

骨盤CT

骨盤CT検査は、骨盤内の膀胱、前立腺(男性)、子宮、卵巣(女性)、直腸などの臓器やリンパ節、骨の状態を評価します。これらの部位に発生する癌の再発や転移の診断に用いられます。

リンパ節への転移や骨への転移の有無を確認することも可能です。癌の種類や病期によって検査頻度は異なりますが、一般的には術後1~3年は3~6ヶ月に1回程度推奨されることがあります。

MRI(磁気共鳴画像)

強い磁場と電波を用いて、体内の様々な方向の断面像を撮影する検査です。CTと比較して軟部組織のコントラストに優れており、脳、脊髄、骨盤内臓器、肝臓などの詳細な評価に適しています。放射線被曝がないという利点があります。

PET(陽電子放射断層撮影)

放射性ブドウ糖などの薬剤を投与し、癌細胞が正常細胞よりも活発にブドウ糖を取り込む性質を利用して、全身の癌細胞の分布や活動性を画像化する検査です。CTやMRIなどの形態画像では捉えにくい、小さな転移や再発病巣の発見に有用です。

内視鏡検査

先端に小型カメラのついた細い管(内視鏡)を、口や肛門、鼻などから挿入し、食道、胃、大腸、気管支などの内部を直接観察する検査です。病変が疑われる部位があれば、その場で組織を採取して病理検査を行うことができます。

病理検査

手術や内視鏡検査、生検などで採取した組織や細胞を顕微鏡で観察し、癌細胞の有無や種類、悪性度などを診断する検査です。再発が疑われる病変から再度組織を採取して病理検査を行うことで、最終的な再発の診断が確定します。

検査結果待ちの不安への対処法

検査結果を待つ期間は、多くの方が不安を感じやすいものです。この「スキャンザイエティ(scanxiety)」を和らげるためには、医療者との積極的なコミュニケーションが大切です。疑問や心配なことは遠慮せずに医師や看護師に相談することで、不安を軽減できることがあります。

医療者とのコミュニケーション

癌治療後の検査も治療の一環

癌治療で目に見える癌がなくなったとしても、微小な癌細胞が体内に残存している可能性があり、それが時間をかけて増殖し再発することがあります。また、抗癌剤や放射線療法で縮小した癌が再び増大することもあります。癌の種類によって異なりますが、一般的に再発のリスクが高いのは治療後2~3年以内と言われています。そのため、治療後5年程度は定期的な検査を受けることが推奨されることが多いです。ただし、乳癌など一部の癌では、5年を超えて再発するリスクもあるため、より長期のフォローアップが必要となる場合があります。

定期検査は再発の早期発見につながり、早期に適切な治療を行うことで生存率の向上に大きく貢献します。定期検査は、再発を早期に発見し、適切な治療を行うための重要な治療の一環であると捉え、積極的に受けることが大切です。