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白血病

白血病の5年生存率と10年生存率

5年生存率

10年生存率

白血病が転移しやすい箇所

そもそも白血病とは血液の癌ですから、血液に乗って癌細胞が体中を駆け巡っている状態であり、最初から転移癌であると言えます。

しかしここであえて白血病の「再発」と「転移」を表現するとすれば、抗がん剤治療による効果がなくなって血液中の癌細胞が増殖した場合が「再発」、血液中の癌細胞が浸潤した状態が「転移」と言えるかもしれません。

本来、血液細胞は骨髄や抹消血中にしか存在しませんが、抗がん剤が効き目を失い、癌細胞が血液中で増え続けると飽和状態となり、いわば「押し出される」ようにしてリンパ節や神経に浸潤するのです。

例えば急性白血病の場合、転移あるいは再発は完全寛解(骨髄中の癌細胞の割合を5%以下に減らすこと)あとの3~5年後に起こる場合が多いとされています。

白血病はどのような癌か

私たちの血液は骨の中心にある骨髄でつくられます。

骨髄中に存在する「造血幹細胞」は、第一段階として「骨髄系幹細胞」と「リンパ系幹細胞」の2種類に分化し、「骨髄系幹細胞」はそこからさらに赤血球、血小板、白血球の構成要素の1つである骨髄芽球へと、また「リンパ系幹細胞」は白血球のもう1つの構成要素であるリンパ球へと分化していきます。

このうち白血球を構成するための分化の過程で細胞分裂に異変が起こり、細胞が異常に増殖するのが「白血病」というわけです。

骨髄芽球からの分化において異常増殖が起こる場合を「骨髄性白血病」と呼び、リンパ系幹細胞側からの分化において異常増殖が起こる場合を「リンパ性白血病」と呼びます。さらに白血病は急激に進行する「急性」と緩やかに進行する「慢性」とにも区分されるため、「急性骨髄性白血病」「慢性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性リンパ性白血病」の合計4種類が存在することになります。

「急性骨髄性白血病」は、白血球の製造途中である骨髄芽球までは分化するものの、その先の白血球構成細胞である「顆粒球」へと分化できない状態です。その結果、骨髄芽球ばかりが溜まって「異常増殖」となるわけです。成熟できずに溜まった骨髄芽球は癌細胞となり、放っておくと無制限に増え続けて短期間で命を落とします。

一方「慢性骨髄性白血病」は骨髄芽球からの分化に異常はみられませんが、そもそも骨髄芽球をつくる増殖機能に異常があるため、骨髄芽球が増えてしまいます。従って急性骨髄性白血病の場合は未成熟の骨髄芽球ばかりが見られますが、慢性骨髄性白血病の場合は成熟した顆粒球も多く見られます。慢性骨髄性白血病も放置しておくといずれ死に至りますが、症状のない慢性期から移行期、急性転換期まで3~5年ほどかけて緩やかに進行していく点が急性骨髄性白血病との違いです。

「急性リンパ性白血病」は、リンパ系幹細胞から白血球の構成要素である「B細胞」「T細胞」「NK細胞」へと分化する際に異常が起こり、未熟なリンパ芽球ばかりが増殖してしまう疾患です。「急性」の名の通り、突然症状が表れてはやい速度で症状が進行していきます。

対する「慢性リンパ性白血病」は、同じくリンパ球系細胞の増殖異常なのですが、急性との大きな違いは成熟したリンパ球系、その中でもとくにB細胞が増殖している状態です。慢性リンパ性白血病はリンパ性腫瘍の中では低悪性度とされており、発症から10年以上生存している例もあれば2~3年で死亡する例もあり、人によってさまざまです。

白血病の主な症状

白血病の症状には、癌細胞の増加によって造血機能が正常に働かない、つまり正常な血液細胞がつくられないために起こる症状と、癌細胞が「転移」つまり骨髄などの他の臓器に浸潤することで起こる症状とがあります。

造血機能障害による症状

癌の浸潤による症状

また一般的に、慢性白血病は比較的初期症状に乏しく健康診断で白血球数の増加が見られるなどして偶然発見されるケースがほとんどです。これは未成熟の芽球細胞ばかりが急激に増えてしまう急性のものとは異なり、進行がゆっくりであり、しかも増殖する癌細胞には成熟した白血球細胞も含まれているため、ある程度正常な血液と同じ働きができるからと考えられます。

さらに骨髄性とリンパ性とで比べた場合に、リンパ性のもののほうが中枢神経に浸潤しやすく、したがって嘔吐や頭痛、精神症状などの中枢神経に係る症状が出やすいとされています。

白血病が再発しやすい理由

他の臓器に発生する癌細胞とは異なり、白血病は血液中に存在し血流にのって体中を巡ることができるため、外科手術で患部を切除するという治療法を選択することができません。

そのため、化学療法により白血病細胞を血液中の5%以下にまで減少させる「寛解導入療法」という治療法が採られる場合がほとんどなのですが、逆に言えば完全寛解が成功したとしても血液中に5%は白血病細胞が残っていることになります。これを「微小残存病変」と呼びますが、これが再び増殖すれば、白血病が「再発」したということになるわけです。

さまざまな部位の癌の中でもとくに白血病は癌細胞を完全に取り除くことが難しい、これが白血病の完治を難しくしている原因です。とは言え、近年になってインターフェロン療法や分子標的療法、造血幹細胞移植などの治療法が進歩し、白血病の長期生存率が上昇傾向にあるという明るいニュースもあります。

白血病を再発させないための予防法

治療後は、通常様子を見つつ1週間~2週間、その後順調に回復している場合にはさらに1ヶ月~2ヶ月と通院間隔を伸ばしていきます。それでも常に3~6ヶ月ごとに再発がないかを定期検査する必要があるでしょう。

白血病の場合、再発予防以上に気を付けたいのが感染症です。免疫力が極端に低下してしまっているため、ちょっとしたことですぐに感染症にかかって重篤な状態になってしまう危険性があります。通院の際には体を冷やさないよう気を付け、マスク着用や手洗いうがいを心がけましょう。

散歩など軽い運動や家事をしながら回復に努めますが、疲れを感じたなら横になり、気分や体力が回復するまで安静にしておく必要があります。

白血病のステージ

白血病には他の癌のような「ステージ(病期)」という概念はないのですが、治療方針を決定するうえでの指標となる「段階」はある程度設けられています。

ステージ分類

慢性骨髄性白血病の場合

慢性期 白血球数と血小板数が増加しているものの、白血球の分化は正常であるため、未熟な骨髄芽球は全体の10%未満である状態です。
移行期 骨髄芽球の分化能力が失われ、血液中の未熟な芽球の割合が増加します。つまり白血病細胞が増殖している状態であるため、薬が効きにくくなり病気の進行が加速します。
急性期 骨髄芽球の分化能力が失われ、血液中の未熟な芽球の割合が増加します。つまり白血病細胞が増殖し血液中の骨髄芽球は全体の20%以上になっている状態です。その一方で正常に機能している血液細胞が激減するため、貧血や出血、高熱などの症状が強くなります。

急性リンパ性白血病の場合

未治療期 白血病細胞が発見されたばかりの状態です。
寛解期 化学療法により白血球数が正常レベルになった状態です。検査可能な範囲では白血病細胞が消失しています。
再発期 完全寛解したものの、白血病細胞が再度表れた状態です。再発箇所として最も多いのは骨髄です。
不応性 完全寛解が不可能な状態です。

慢性リンパ性白血病の場合

0期 リンパ球の増加のみが見られる状態です。
Ⅰ期 リンパ球の増加と共にリンパ節の腫脹が見られる状態です。
Ⅱ期 リンパ球の増加及び脾腫あるいは肝腫大、リンパ節腫脹が見られる状態です。
Ⅲ期 貧血併発リンパ球の増加やリンパ節の腫脹、脾腫、肝腫大が見られる状態です。
Ⅳ期 血小板減少併発リンパ球増加や貧血、リンパ節腫脹、脾腫、肝腫大が見られる状態です。

ステージごとの治療方針

慢性期・未治療期~寛解期

抗がん剤を用いた寛解導入療法により、骨髄中の白血病細胞を5%以下にすることを目標とします。

移行期・再発期

これまで行ってきた寛解導入療法では効果が期待できないため、異なる化学療法や造血幹細胞移植といった治療法が選択されます。

急性期・不応期

白血病細胞数をコントロールすることを目標とした化学療法や、同種造血幹細胞移植が検討されます。