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大腸癌・結腸癌・直腸癌

掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

大腸癌の5年生存率と10年生存率

5年生存率

10年生存率

大腸癌が転移しやすい箇所

大腸癌・結腸癌・直腸癌

大腸癌は肝臓へ転移しやすく、大腸癌の手術を受けた人の約7%が転移しています。次いで肺への転移が多く、手術を受けた人の約5%が肺への転移がみられます。

他には腹膜へ種を蒔いたように転移する腹膜播種、また頻度は少ないですが脳転移や骨転移がみられる事もあります。

大腸癌はどのような癌か

大腸癌は大腸の結腸、直腸、S状結腸、盲腸に発生する癌です。大腸癌の発生には粘膜に発生したポリープ(腺腫)が癌化するものと、粘膜にある細胞が癌細胞化するものと2つのパターンがあり、その多くは前者のポリープから起こるものと考えられています。

日本人にはS状結腸と直腸に癌が多いといわれ、大腸癌のうちの70%を占めています。粘膜の表面に発生した癌細胞は徐々に大腸の壁に侵入して広がっていき、やがてリンパ節や肝臓、肺などの他の臓器に転移します。

侵入層の深さによってステージが分類され、ステージ0が粘膜にとどまっている状態、ステージⅠは大腸の壁(固有筋層)にとどまっている状態、ステージⅡは大腸の壁(固有筋層)外まで浸潤している状態、ステージⅢはリンパ節転移がある状態、ステージⅣは遠隔転移、腹膜播種かある状態です。

大腸癌の主な症状

初期の大腸癌はほとんど症状がありません。進行するにつれて、次のような症状が現れます。

大腸癌が再発しやすい理由

大腸癌が初回の治療で完全に取り除かれた場合は、再発は起こりません。しかし完全に取り除くのは困難であり、目に見えないわずかな癌細胞が残っていた場合は増殖し再発を起こします。

再発は局所で起こることもありますが、他の臓器へ転移する可能性が非常に高いです。大腸癌が肝臓への転移が最も多い理由として、大腸から出た血液は肝臓に運ばれるため、癌細胞が血液に乗って運ばれてしまうためです。

肺への転移も見られますが、大腸から直接というわけではなく肝臓へ転移し、そこから血液によって癌細胞が運ばれ肺へ転移します。

大腸癌に用いられる治療法

再発した大腸癌の治療では外科手術、抗がん剤、放射線治療が行われます。再発の大腸癌の場合は根治を目指すよりも、癌の進行を抑えて症状を和らげる、予後の生活の質向上を目的に行われます。

再発した臓器が1つの場合は、切除可能であれば外科手術が行われますが、多くの場合は抗がん剤か放射線治療にて癌の進行を抑える方法をとります。また、これらの治療に免疫療法を組み合わせる場合もあります。

大腸癌を再発させないための予防法

大腸癌は生活習慣と関わりが深いといわれ、特に食事療法が予防に有効といわれます。

赤肉や加工肉やアルコールの過剰摂取は、大腸癌のリスクを高めるといわれているため注意が必要です。また食物繊維を含む食品を摂取する事、適度な運動を行うことは大腸癌のリスクを下げるといわれています。

そのほか、手術後の術後補助療法は再発のリスクを大幅に減らす事が出来る治療方法です。癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療を行う事が重要です。

抗がん剤

外科手術による治療が難しいと判断された場合や、外科的治療と併用する形で、大腸癌の患者に対して抗がん剤を使った化学療法が行われます。

大腸癌に対する化学療法や抗がん剤治療では、単独の抗がん剤を使われるだけでなく、複数の抗がん剤を組み合わせて治療が進められることも多くなっています。そのため、まずは大腸癌の特徴や患者の体質、状態などを正確に見極めて、最適な抗がん剤を選択することが欠かせません。

大腸癌治療で使用される抗がん剤としては、まず「フルオロウラシル(5-FU)」という薬が基本となります。5-FUは点滴によって投与される場合と内服薬として処方される場合があり、さらにその他の抗がん剤と5-FUを組み合わせた複合治療が進められることもあります。組み合わせられる医薬品としては、「レボホリナート(l-ロイコボリン、アイソボリン)」や「オキサリプラチン」、「イリノテカン」など色々なものがあり、どのような治療法を選択するかは主治医と相談した上で選択することが重要です。

また、抗がん剤治療では、癌を小さくして手術をサポートしたり、癌の症状や進行を抑えて状態を緩和したりするだけでなく、手術による治療後に再発を防止する目的で行われる抗がん剤治療もあります。再発予防を目的とした抗がん剤治療は「補助化学療法」と呼ばれ、「カペシタビン(ゼローダ)」や「テガフール・ウラシル配合剤(UFT)」といった薬が使用されることが一般的です。

放射線治療

大腸癌の治療法として放射線治療を考えた場合、癌による諸症状を抑えて患者の状態を緩和させる目的の「緩和的放射線治療」と、直腸癌の骨盤内の再発を抑えたり人工肛門を回避したりするための「補助放射線治療」の、大きく2種類が存在します。

補助放射線治療の場合、対象となる大腸癌は手術によって切除できる直腸癌が主な対象となり、放射線治療を行うタイミングは主に手術前となる術前照射が特徴です。なお、術前照射は抗がん剤などと併用して行われることもあります。

緩和的放射線治療の場合、骨盤内に生じた直腸癌などの腫瘍によって引き起こされる、痛みや出血、排便困難、その他にも様々な諸症状を改善する目的で行われます。

緩和的放射線治療では、放射線治療によって各種症状が改善したり緩和したりすることが期待できる一方、放射線による副作用について考えることも必要です。放射線治療の副作用としては、放射線照射期間中に引き起こされる「早期合併症」と、放射線照射後に生じる「晩期合併症」の2種類があり、さらに放射線が照射された部位によっても副作用の内容が変わります。

早期合併症では、倦怠感や吐き気、食欲不振、皮膚炎といった症状に加えて、照射部位によって頭痛や脱毛、下痢、腹痛などが挙げられるでしょう。晩期合併症では、腸管や膀胱の炎症や出血、頻尿・排便回数の増大などがあります。

緩和的放射線治療では、患者の症状が癌によるものか、放射線の副作用によるものか、正しく見極めながら適切に治療を進めていくことが重要です。

免疫療法

抗がん剤治療や放射線治療は癌治療の治療法として有力ですが、早期の抗がん剤使用や放射線照射は大きな副作用を引き起こすリスクもあり、世界中の研究機関でより低リスクで効果の高い治療法の研究が進められてきました。

免疫療法は、患者本人の免疫機能を活用して癌細胞へアプローチする治療法であり、副作用が少なく、抗がん剤治療などとも併用可能な方法として期待されています。

癌は、異常な細胞(癌細胞)が増えていくことで発症へつながりますが、本来であれば異常細胞は発生した時点で体内の免疫細胞によって駆除されるため、実際の発症にまでは至りません。しかし、免疫機能が低下していたり、癌細胞によって免疫機能が阻害されてしまったりすると、免疫細胞による癌への攻撃が行われなくなり、癌リスクが上昇します。

免疫療法には、癌細胞が免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みを阻害して、免疫細胞によって癌細胞を適正に駆除できるよう免疫チェックポイント阻害薬を使う方法や、患者から採取した免疫細胞を増殖・活性化させた上で体内に戻し、癌を攻撃させる方法など、複数のタイプが考えられます。

大腸癌に使用される免疫チェックポイント阻害薬としては、「キイトルーダ(ペムブロリズマブ)」という承認薬の他にも、世界中で様々な医薬品が研究されており、自由診療も含めれば選択肢が多いことが特徴です。ただし、免疫療法は現在進行形で発展中の治療法であり、「効果が証明されている免疫療法」を受けられる医療機関が限定されていることもポイントです。

大腸がんのステージ

ここではステージごとの大腸がんの状態について解説します。

ステージ分類

0期 癌細胞が大腸粘膜の中に留まっている(非浸潤癌)状態。
Ⅰ期 癌細胞が粘膜を突き抜けている(浸潤癌)が、大腸の壁(固有筋層)内に留まっている状態。
Ⅱa期 癌が固有筋層を超えて浸潤している。
Ⅱb期 癌が漿膜表面にまで達している、あるいは漿膜表面を超えて腹腔にまで露出している状態。
Ⅱc期 癌が他の臓器に浸潤している状態。
Ⅲa期 リンパ節への転移が1~3個見られるが、癌の浸潤は粘膜内に留まっているかあるいは固有筋層内に留まっている状態。またはリンパ節への転移が4~6個見られるが、癌の浸潤は粘膜内に留まっている状態。
Ⅲb期 リンパ節への転移が1~3個見られ、固有筋層を超えて浸潤している状態。あるいはリンパ節への転移は4~6個で、固有筋層内あるいはそれを超えて浸潤している状態。
またはリンパ節への転移が7個以上か、主リンパ節にまで転移が見られるが、浸潤は粘膜内あるいは固有筋層内に留まっている状態。
Ⅲc期 リンパ節への転移が1~3個で他の臓器にまで浸潤しているか、リンパ節への転移は4~6個で漿膜表面や他臓器にまで浸潤している状態。
あるいは7個以上のリンパ節転移や主リンパ節への転移が見られ、浸潤は固有筋層を超えているか漿膜表面に達しているか、他臓器にまで達している状態。
Ⅳ期 遠隔転移が見られる状態

ステージの分類方法

大腸がんのステージは、「TNM分類法」により分類されています。

T=深達度(大きさ)

大腸がんは大腸粘膜から発生し、粘膜→粘膜下層→固有筋層→漿膜下層→漿膜の順に深い方へと浸潤していきます。これらのうちどの部分にまで達しているか表すのが「深達度(T)」です。

N=リンパ節転移の有無

癌が大腸近くのリンパ管に達するとそこを通ってリンパ節(所属リンパ節)にまで達します。ここに幾つの癌細胞が見られるかが、「リンパ節転移(N)」です。

M=遠隔転移の有無

癌がリンパや血液に乗って大腸から離れた臓器にまで達することを「遠隔転移(M)」と言います。

ステージごとの治療方針

0~Ⅰ期

非浸潤癌や浸潤していてもその程度の軽いものは内視鏡手術で摘出可能かどうか考慮されます。

0~Ⅲ期

0~Ⅰ期でも内視鏡手術は困難と判断された場合や、Ⅱ期Ⅲ期の癌は手術療法で切除。リンパ節にも転移が見られる場合にはその部分も取り除きます(リンパ節郭清)。術後は化学療法が行われるのが一般的です。

Ⅳ期

大腸がん(原発巣)と、転移している癌(転移巣)の両方を手術療法にて切除し、薬物療法を行ないながら経過を観察。切除しきれないと判断された場合には手術療法はとられず薬物療法や放射線療法を行います。