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原発巣の部位別に考える再発癌の治療

掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

再発した癌の治療法をお探しの方へ、各癌の一般的な再発率・再発しやすい箇所と、用いられる治療方法を紹介します。

大腸癌

大腸癌とはS字結腸や直腸、盲腸といった部位に発生する癌を指します。また、大腸癌の発生には大きく2つのパターンがあり、腸粘膜に発生したポリープが癌化する場合と、粘膜細胞がそのまま癌細胞化する場合があります。初期の大腸癌は自覚症状がほとんどなく、発見も難しいものの、治療の初期段階で癌細胞が完璧に除去された場合は再発の心配もありません。ただし、癌細胞の取りこぼしを考慮して、食事療法などの再発予防も大切です。

大腸癌の5年生存率

ステージⅠ89.1%、ステージⅡ80.8%、ステージⅢ73.3%、ステージⅣ16.6%

大腸癌が転移しやすい箇所

肝臓、肺、腹膜播種、脳、骨

胃癌

胃癌は胃の粘膜に発生する癌です。また、胃壁の中だけで癌が密かに広がる「スキルス胃癌」という癌もあり、特にスキルス胃癌ではようやく発見された時点で60%の患者に転移があるとされています。胃癌の治療法としては、転移前であれば外科手術が採用されますが、すでに転移している場合は薬物療法や免疫療法などが選択されます。また、慢性胃炎や食習慣の乱れが再発リスクとして上げられ、再発予防には生活習慣の改善が必要です。

胃癌の5年生存率

ステージⅠ96.7%、ステージⅡ64.1%、ステージⅢ47.0%、ステージⅣ7.0%

胃癌が転移しやすい箇所

リンパ節、腹膜播種、肝臓

肺癌

肺胞や気管、気管支などの細胞が癌化したものが肺癌です。肺癌には複数の種類があり、組織の形状によって小細胞肺癌や非小細胞肺癌などに分類されます。早期の肺癌は単なる風邪や気管支炎と誤解されやすく、さらに血管やリンパ管が集まる肺の癌は転移しやすいため、可能な限り早期発見・早期治療が重要です。また、肺癌のリスク要因としては喫煙習慣が知られており、本人が喫煙者でなくても、周囲からの副流煙にも注意しなければなりません。

肺癌の5年生存率

ステージⅠ80.9%、ステージⅡ47.8%、ステージⅢ20.9%、ステージⅣ4.6%

肺癌が転移しやすい箇所

リンパ節、脳、肝臓、副腎、骨

乳癌

通常、乳癌は女性の乳房にある乳腺に生じる癌ですが、中には男性で生じる男性乳癌もあります。また、乳癌は他の原発巣から転移してくる可能性が少ない反面、リンパ節を経由して全身へ転移することが多い点も特徴です。さらに、乳癌は初期の自覚症状がほとんどなく、発見が遅れやすいことも重要でしょう。乳癌再発の治療内容は局所再発か、他臓器に転移した遠隔転移かで異なり、再発予防には生活習慣の改善や術後補助療法が有効です。

乳癌の5年生存率

ステージⅠ99.9%、ステージⅡ95.2%、ステージⅢ79.7%、ステージⅣ32.6%

乳癌が転移しやすい箇所

リンパ節、骨、皮膚、肺、肝臓、脳

前立腺癌

前立腺癌は、直腸の前部に存在する前立腺に生じる癌です。男性の癌として警戒されるものの1つですが、前立腺癌そのものは自覚症状が出にくい上、進行速度が遅く死亡率も低いため、自分が前立腺癌になっていると気づいていない人も少なくありません。ただし、前立腺癌でも転移の可能性はあり、再発時に他の臓器へ転移が見られることもあります。そのため、適度な運動や食習慣の改善など、普段から再発予防を心がけることが大切です。

前立腺癌の5年生存率

ステージⅠ100.0%、ステージⅡ100.0%、ステージⅢ100.0%、ステージⅣ62.0%

前立腺癌が転移しやすい箇所

骨、リンパ節、肺、肝臓

膵臓癌

膵臓癌の5年生存率

ステージⅠ41.9%、ステージⅡ18.3%、ステージⅢ5.9%、ステージⅣ1.2%

膵臓癌転移しやすい箇所

肝臓、骨、腹膜播種

膵臓癌

膵臓癌は、膵臓の膵管に発生する癌であり、癌の進行速度が速いという点が特徴です。加えて、初期段階では自覚症状がほとんどなく、膵臓周囲には動脈やリンパ管が集まっていることから、血流に載って癌細胞が広がりやすいことも見逃せません。これにより、膵臓癌は発見された時点で他臓器へ転移していたり、癌が進行していたりといった危険もあります。また、治療が成功しても、再発予防には術後補助療法や生活習慣の改善が欠かせません。

膵臓癌の5年生存率

ステージⅠ41.9%、ステージⅡ18.3%、ステージⅢ5.9%、ステージⅣ1.2%

膵臓癌転移しやすい箇所

肝臓、骨、腹膜播種

肝臓癌

肝臓が原発の肝臓癌は、肝臓の細胞が癌化した肝細胞癌と、胆管細胞が癌化した胆管細胞癌に分類され、さらに他からの転移で生じる転移性肝癌もあります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど自覚症状が出にくく、発見された時点では相当に進行している可能性があります。また、特に原発性肝癌は再発リスクが高く、再発のおよそ80%が肝臓内転移とされ、肝炎や肝硬変といったリスク要因が改善されない限り再発が繰り返されることが特徴です。

肝臓癌の5年生存率

ステージⅠ59.6%、ステージⅡ35.6%、ステージⅢ14.0%、ステージⅣ1.9%

肝臓癌が転移しやすい箇所

肝臓内転移、肺、骨、リンパ節、副腎

腎臓癌

腎臓に生じる癌の中でも、腎実質の腎細胞が癌化したものが腎臓癌と呼ばれます。なお、腎盂に生じた癌は腎盂癌という別の癌として扱われます。腎臓癌の特徴として、血行性転移を起こしやすいというものがあり、特に肺への転移に注意しなければなりません。腎臓癌は治療が上手くいけば再発の可能性も低いとされていますが、癌細胞を適切に除去できていなければ肺など他の部位へ転移して再発するため、手術での治療が難しくなります。

腎臓癌の5年生存率

ステージⅠ97.7%、ステージⅡ81.9%、ステージⅢ71.6%、ステージⅣ18.5%

腎臓癌が転移しやすい箇所

肺、骨、リンパ節、肝臓、副腎、膵臓、脳

皮膚癌

皮膚組織の中でも、表皮細胞と皮膚付属器の細胞が癌化したものを皮膚癌と呼びます。皮膚癌には様々な種類があり、種類によって発生しやすい場所や再発率が異なることも特徴です。皮膚癌は紫外線との関連性が強いとされ、特に基底細胞癌は完全な切除が難しく、再発を繰り返しながら周辺の筋肉や骨といった組織を破壊します。そのため、日焼け止めなどでしっかりと日焼け対策を行い、紫外線を浴びる量を調整する再発予防が大切です。

皮膚癌の5年生存率

90.9%で比較的予後良好な癌といわれています。

皮膚癌が転移しやすい箇所

皮膚癌の中でも悪性黒色腫、乳房外パジェット病などは転移しやすいといわれます。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は血液中を流れる白血球の中でも、リンパ球という細胞が癌化する病気です。また、リンパ球の異常増殖によってリンパ節に腫瘤などが生じますが、あまり痛みなどは感じにくいことも特徴です。悪性リンパ腫は悪性度によって再発率が異なり、実は比較的ゆっくりと進行する低悪性度の悪性リンパ腫こそ、完治が難しいという点も見逃せません。なお、状態によってはドナーからの造血幹細胞移植療法が行われることもあります。

悪性リンパ腫の5年生存率

ステージⅠ86.7%、ステージⅡ76.3%、ステージⅢ64.0%、ステージⅣ54.6%

悪性リンパ腫が転移しやすい箇所

悪性リンパ腫は全身に転移しやすい傾向にあります。リンパ系組織は全身を巡っているため、リンパ管や血管を介して癌細胞が色々な場所へと広がりやすいためです。

子宮癌

子宮頸癌と子宮体癌を合わせて子宮癌と呼び、それぞれは女性の子宮の入口や子宮内膜などに生じます。初期段階の子宮癌は予後が良いとされ、5年生存率も高いものの、悪化すると治療が複雑になり生存率も低くなるため、定期検診での早期発見か、特に子宮頸癌に関してはワクチン接種による予防が重要です。また、性行為による他者からのウイルス感染もリスク要因とされるため、再発予防には適切なコンドームの使用なども欠かせません。

子宮癌の5年生存率

子宮頸癌ではステージⅠ92.5%、ステージⅡ76.3%、ステージⅢ54.3%、ステージⅣ23.4%、子宮体癌ではステージⅠ94.8%、ステージⅡ90.6%、ステージⅢ66.0%、ステージⅣ18.6%

子宮癌が転移しやすい箇所

子宮頸癌はリンパ節や肺、肝臓、骨など。子宮体癌はリンパ節、膣、腹膜肺。

口腔癌・咽頭癌

口腔癌は口内と唇に生じる癌であり、粘膜細胞に生まれる癌と、唾液腺(耳下腺を除く)に生まれる癌の大きく2種類があります。場所によって舌癌や歯肉癌、口腔底癌などと細分化され、治療では各部位の癌の切除が行われます。また、癌治療によって組織が失われた場合、欠損部を補填する再建手術などが行われることも特徴です。飲酒や喫煙によってリスクが上がるとされ、さらに虫歯や歯周病などを放置した場合も再発リスクが上昇します。

口腔癌・咽頭癌の5年生存率

舌癌ではステージⅠ83.0%、ステージⅡ86.0%、ステージⅢ74.0%、ステージⅣ61.0%、口腔底癌ではステージⅠ76.0%、ステージⅡ81.0%、ステージⅢ100.0%、ステージⅣ79.0%

口腔癌・咽頭癌が転移しやすい箇所

口腔癌は血液やリンパの流れにのって転移しやすく、特に頸部のリンパ節への転移が多く見られます。また肺への転移も多く見られます。

胆嚢癌・胆管癌

肝臓の下で、胆汁を貯めておく臓器が胆嚢であり、その胆汁の流れる管が胆管です。胆嚢や胆管に癌ができた場合、やがて肝臓や十二指腸といった臓器へ広がり、また肺への転移の可能性も高まります。胆嚢癌・胆管癌のリスク要因としては、胆嚢・胆管炎、胆石、潰瘍性大腸炎など様々なものが挙げられ、再発を予防するには何よりも生活習慣を改善し、適切な食事療法を実践することが必要です。また、術後補助療法も効果的とされています。

胆嚢癌・胆管癌の5年生存率

ステージⅠ57.4%、ステージⅡ24.4%、ステージⅢ11.3%、ステージⅣ1.8%

胆嚢癌・胆管癌が転移しやすい箇所

胆嚢癌では胆管や膵臓の周囲のリンパ節や肝臓、肺などへの転移が多く見られます。

食道癌

咽頭と胃を結ぶ食道に生じた癌が食道癌です。日本人では食道の中部や下部に生じやすいとされ、食道壁の粘膜に生じた早期食道癌から、徐々に粘膜の下層へ浸潤する表在食道癌、さらに深部へ到達した進行食道癌に分けられます。自覚症状としては、癌が進行するに従って胸の違和感や喉のつかえ、声がれといった症状が見られます。飲酒や喫煙の他、熱いものや刺激物を好む食習慣もリスクとされ、再発予防には食習慣や生活習慣の改善が必須です。

食道癌の5年生存率

ステージⅠ86.3%、ステージⅡ56.1%、ステージⅢ29.3%、ステージⅣ12.4%

食道癌が転移しやすい箇所

食道癌は進行すると深層へ広がり、気管や大動脈などの周囲の臓器に浸潤することがあります。また、リンパ管や血管の流れに乗って食道外にあるリンパ節や肺、肝臓への転移が見られます。

膀胱癌

尿をためておく膀胱に生まれた癌が膀胱癌です。一般的な自覚症状としては血尿が挙げられ、その他にも頻尿や残尿感といった尿のトラブル、下腹部や背中の痛みなどがあります。煙草の煙や工業染料、一部の鎮痛剤など様々なものがリスク要因とされ、再発予防にはそれらとの接触を避けることが第一です。また、水分摂取も有効とされています。再発した場合、局所的であれば外科手術、転移などがあれば薬物療法や放射線治療が選択されます。

膀胱癌の5年生存率

ステージⅠ86.5%、ステージⅡ72.7%、ステージⅢ55.4%、ステージⅣ17.0%

膀胱癌が転移しやすい箇所

膀胱癌が転移しやすい箇所はリンパ節、肺、骨、肝臓といわれています。