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本ページに掲載されている治療法は、保険適用外の自由診療である可能性があります。治療費、治療回数、治療期間は、症状、治療法、医療機関によって大きく異なります。詳細については、必ず各医療機関に直接お問い合わせください。また、治療に伴う副作用やリスクは、治療方法によって異なります。ご不明な点やご不安な点は、治療開始前に必ず担当医に直接確認し、十分な説明を受けた上で治療をご検討ください。
遠隔転移とは、癌細胞が発生した原発部位から血管やリンパ管を通って他の臓器や器官に移動し、そこで増殖することを指します。
癌の転移には、主に以下の経路があります。
一般的に、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、胆道癌、乳癌などは、他の癌と比較して転移しやすい傾向があることが知られています。ただし、癌の種類や進行度合いによって転移のしやすさは異なります。
遠隔転移した再発癌に対する治療は、全身療法と局所療法を組み合わせるなど、患者さんの状態や癌の種類、転移部位に応じて多岐にわたります。主な治療法としては、薬物療法(抗がん剤治療、分子標的治療、内分泌療法など)、放射線療法、免疫療法、緩和ケアなどが挙げられます。代替療法については、科学的根拠が確立されていないものも多く、慎重な検討が必要です。
放射線療法は、高エネルギーの放射線を照射することで癌細胞のDNAを損傷させ、増殖を抑制したり死滅させたりする治療法です。癌治療に用いられる放射線には、X線、γ線、電子線などがあります。
放射線は癌細胞の遺伝子に直接作用し、細胞分裂に必要な機能を阻害したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりすることで癌細胞を破壊します。
放射線療法は、遠隔転移した再発癌の症状緩和や局所制御を目的とした治療の選択肢として広く用いられています。
薬物療法は、薬剤を用いて癌細胞の増殖を抑制したり、癌細胞を死滅させたり、転移や再発を予防したりする治療法です。以前は抗がん剤治療が中心でしたが、近年では癌細胞の特定の分子を標的とする分子標的治療薬や、ホルモン感受性のある癌に対する内分泌療法など、多様な薬剤が開発されています。
薬物療法は、血液によって全身に運ばれるため、手術や放射線療法では治療が難しい全身に広がった癌に対しても有効な治療法となります。全身の癌細胞に効果を発揮するため、再発や転移後の進行を抑制することが期待されます。
副作用は薬剤の種類によって異なりますが、吐き気、脱毛、倦怠感などが起こることがあります。近年では、副作用を軽減するための支持療法も進歩しています。
免疫療法は、患者さん自身の免疫 system を利用して癌細胞を攻撃する治療法です。免疫細胞が癌細胞を異物として認識し、排除する力を高めることを目指します。
免疫チェックポイント阻害薬やCAR-T細胞療法など、さまざまな種類の免疫療法が開発され、一部の進行癌や再発癌に対して有効性が示されています。正常な細胞への影響は比較的少ないと考えられていますが、自己免疫反応による副作用が生じる可能性もあります。
免疫療法は、手術や放射線療法の適応とならない進行癌や再発癌に対しても治療の選択肢となる可能性があります。しかし、全てのがんに有効であるわけではなく、効果や副作用についてはさらなる研究が必要です。
代替療法は、従来の科学的根拠に基づいた治療(手術、薬物療法、放射線療法、免疫療法など)の代わりに行われる、あるいは併用される治療法を指します。
様々な代替療法が存在しますが、その有効性や安全性については科学的に十分に検証されていないものも多く、治療効果が証明されていない、あるいは有害な可能性のあるものも存在します。国立補完統合衛生センター(NCCIH)(米国)では、「従来の医療の一部とはみなされない多様な医療製品および施術」と定義されています。代替療法を選択する際には、科学的な情報を十分に理解し、担当医とよく相談することが重要です。
緩和ケアは、癌と診断された時から、患者さんやそのご家族が抱える身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦しみ、社会的な問題など、様々なつらさを和らげ、その人らしい生活を送れるようにサポートするケアです。
以前は進行癌や終末期の患者さんに対して行われるイメージが強かったですが、現在では癌の診断時から早期に開始することが推奨されています。
病気を治すことだけではなく、患者さんとご家族のQOL(生活の質)を高めることを目的とし、多職種の医療従事者が連携して対応します。