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卵巣癌

掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

卵巣癌の5年生存率・10年生存率

2008年~2010年の症例数をもとに、性別・年齢分布・暦年を考慮した相対生存率を記載しています。

卵巣癌の5年生存率

卵巣癌の10年生存率

卵巣癌が転移しやすい箇所

卵巣癌はどのような癌か

卵巣癌は卵巣に発生する癌を指します。卵巣癌は初期段階では症状がほとんどないことが多く、日本では毎年約7500人がかかり、約4,500人が亡くなっているという状況です。

卵巣癌にかかりやすい年齢層は40代から80代とされていますが、60代の羅患者が最も多いと報告されています。

また、卵巣癌は組織型が非常に多く、粘液性のあるものや漿液性のもの、胚細胞から発生したものなどさまざまな分類があるようです。そのため、癌の疑いのある場合は手術で病変を切り取り、病理組織検査と呼ばれる検査でどのタイプに分類されるのかを診断するのが一般的でしょう。

卵巣癌の主な症状

卵巣癌の初期段階は無症状のことがほとんどです。そのため、症状に気づいたタイミングでは癌が進行していることも多く、早期発見が難しい癌の一つです。

卵巣癌の進行具合によってステージ分類されており、主に癌の転移による広がりで判断しています。

卵巣癌の手術進行期分類

卵巣癌は、進行して腫瘍が大きくなると下腹部が出てくるため、腫瘍を触れるようになります。また、お腹に水が溜まるようになるので、腹部の膨満感や痛みなどが症状として現れるようです。

卵巣癌が再発しやすい理由・しにくい理由

卵巣癌においても、まずは手術によって癌細胞を取り除いてしまうのが基本的な対応になります。

これによって癌細胞が完全に取り除かれた場合は、再発の可能性は低いことは再発率からもうかがうことができます。また、卵巣癌は比較的抗がん剤治療が効きやすい癌とも言われており、癌細胞が卵巣内にのみ認められる場合は投薬によって癌を抑え込むことができる可能性があるのです。

卵巣癌の場合は、半数以上が再発する可能性があり、初回の治療を行ってから2年以内に再発するケースが多いようです。再発の場合は化学療法によって治療を行なっていきます。

定期的な検診によって癌が再発していないかを確認するのが良いでしょう。

卵巣癌に用いられる治療法

卵巣癌は患者の年齢や体力、希望に従って治療方針を決定します。

初期治療としては、手術による切除が主たる治療方法ですが、癌細胞を取り除けない場合は投薬治療も行なわれます。卵巣癌は他の癌と比べて発見されるのが遅いことが多く、手術後は化学療法が行われるケースがほとんどのようです。

卵巣に発生する癌なので、妊娠・出産予定がある方は子どもを産めるかどうかが気になるでしょう。結論から言うと、治療方法によっては妊娠や出産に影響があることが考えられます。将来子どもを産みたいと考えている方は、医師と十分に話し合ってから治療方針を決定してください。

化学療法と放射線治療、分子標的治療が、手術に次ぐ、癌への対抗方法です。

放射線治療は卵巣癌に対してはあまり行なわれません。再発などが認められた場合のみ使われることが多いようです。

化学療法については、卵巣癌に対しては効果が高い治療方法といわれているので、抗がん剤の投薬を用いて治療を行います。癌の種類に応じて適切な抗がん剤を選択肢、副作用を考慮しながら投薬を行なう流れです。

抗がん剤の副作用としては、白血球や血小板の減少や吐き気・嘔吐をはじめ、脱毛などが挙げられます。

分子標的治療では、血管内皮細胞増殖因子阻害剤と呼ばれる薬剤によってターゲットとなる癌細胞を識別。そして癌細胞を抑え込みます。近年さまざまな癌に対して応用されている治療法です。

卵巣癌を再発させないための予防法

卵巣癌は治療が終わってから2年以内に半数が再発するといわれている癌なので、再発予防のために化学療法を行なうかどうかを検討することが多いようです。

ステージによって抗がん剤が必要かどうかは判断されますが、I期の卵巣内のみに癌が認められ、手術によって完全に取り除かれたとしても、予防のために抗がん剤治療を選択するケースもあります。医師と相談の上、化学療法を行なうかどうかを決定してください。

とくに若年層で卵巣の温存を希望する場合には検討が必要です。化学療法を本当にしなくても良いのか、再発の可能性がどの程度あるかなどさまざまな要素を、医師の専門的な知見から判断してもらう必要があります。

将来的に出産を希望する方は、信頼の置ける家族・医師とじっくり話し合って決めるのが良いでしょう。また、卵巣癌の再発を早期発見するために定期的な検診を受けることが大切です。

卵巣癌のステージ

ここでは、ステージごとの卵巣癌の状態について詳しく解説します。

ステージ分類

Ⅰ期

ⅠA期 癌が片方の卵巣、あるいは卵管にある状態です。
ⅠB期 癌が両側の卵巣、あるいは卵管にある状態です。
ⅠC期 癌が片側、または両側に卵巣あるいは卵管にあり、さらに「癌が卵巣の被膜に広がっている」「癌によって卵巣の被膜が破裂している」「腹腔から採取した腹水、あるいは腹膜を洗った液から癌細胞が見つかる」の3点のうち、いずれかが認められる状態です。

Ⅱ期

ⅡA期 卵巣で発生した癌が、卵管・子宮のいずれかまたは両方に進展している状態です。また、卵管で発生した癌が卵巣・子宮のいずれかまたは両方に進展している場合も、このステージに含まれます。
ⅡB期 癌が膀胱や直腸など、骨盤の内側にあるその他の臓器に進展している状態です。

Ⅲ期・Ⅳ期

ⅢA期 肉眼では癌が骨盤の内側に留まっているように見えるが、顕微鏡で調べると癌細胞が骨盤の外にある腹膜に広がっていることが確認できる状態です。
ⅢB期 骨盤の外にある腹膜に、大きさ2cm未満の癌が広がっている状態です。
ⅢC期 大きさ2cm以上の癌が腹膜に広がっているか、癌が後腹膜あるいは鼠経リンパ節に広がっている状態です。
ⅣA期 胸腔から採取した液体(胸水)に、癌細胞が認められる状態です。
ⅣB期 癌が肝臓実質に転移している、あるいは遠くの臓器に転移している状態です。

ステージの分類方法

卵巣癌のステージ分類は、「癌が卵巣の片側にあるか、両側にあるか」「卵巣周辺に広がっているか」「リンパ節や、卵巣から遠い臓器に転移があるか」といった点に基づいて行われます。

なお、卵巣癌の場合は、手術によって摘出したものや採取した腹水などを詳しく調べ、その結果をもとに癌がどの程度まで広がっているかを判断する「手術進行期分類」が用いられます。つまり、卵巣癌のステージが判明するのは、初回の手術を終えた後ということになります。

ステージごとの治療方針

Ⅰ期

原則として、卵巣全体、子宮、胃の下部にある「大網」という脂肪組織を摘出し、さらに骨盤内のリンパ節、傍大動脈領域のリンパ節を取り除き、術後は必要に応じて化学療法を行います。ただし、患者さんが弱年齢で、かつ将来の妊娠を強く希望する場合は、術後に考えられるリスクについて十分に検討しつつ、卵巣を温存する手術を行うこともあります。

Ⅱ期

Ⅰ期と同様の手術に加え、膀胱や直腸など、癌が広がっている部分の切除を行います。さらに、術後は抗がん剤による治療を行います。

Ⅲ期・Ⅳ期

初回の手術後に、抗がん剤によって可能な限り癌を小さくする治療を行います。また、場合によっては、はじめに癌の広がり方を把握するための試験開腹を行い、その後改めて化学療法に移ることもあります。

抗がん剤によって腫瘍が小さくなったら、体内の癌を可能な限り取り除くための手術(腫瘍減量術)を行い、さらに再発予防のための化学療法を行います。なお、脳や骨に転移が見られる場合は、予後の改善や痛みの緩和などを目的とした放射線治療が行われることもあります。