掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
腎臓癌は血行性転移しやすく、肺に最も多く再発の半分以上を占めるといわれています。次いで骨やリンパ節への転移が多く、その他にも肝臓、副腎、膵臓、脳などに転移がみられます。
腎臓癌は、腎臓に発生する癌のうち、腎実質の腎細胞が癌化して発症する癌をいいます。腎臓にある「腎盂」という部分に発生した癌は腎盂癌と呼ばれ、腎細胞癌とは区別されます。
腎臓癌は初期の頃は症状があまりなく、進行するに連れて様々な症状がみられてきます。特徴的な症状としては血尿、腹部のしこり、背中や脇腹の痛み、食欲不振、貧血などが挙げられます。
腎臓癌の治療で完全に癌細胞が取り除かれれば再発する事はありません。
しかし目に見えない小さな癌細胞が残っていた場合、その癌細胞が増殖し、他の場所に転移して再発します。
腎臓癌が再発した場合、可能であれば外科手術にて癌細胞を取り除き根治を目指す治療が行われます。場合によっては腎臓を全摘出する事もあります。
再発して転移がみられる場合は手術では治す事が困難である事が多く、癌の進行を抑える目的で抗がん剤治療・放射線治療が行われます。また、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬にて免疫機能を増強して癌細胞を攻撃する治療なども行われます。
腎臓癌を再発させないためには生活習慣の改善が大切です。特に喫煙や肥満、高血圧は癌の腎臓癌のリスクを高めるともいわれており、注意が必要です。また適度な運動を行う事により、生活習慣の改善やストレス発散の効果も期待できるため、運動も予防には有効といわれます。
その他にも、治療としては術後補助療法として薬物治療や放射線治療が有効です。手術後などに残っている可能性のある癌細胞に対してさらなる治療をすれば、再発のリスクを大幅に減らせます。
癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療をする事が重要です。
Ⅰ期 | 癌の大きさが7cm以下で腎臓内に留まっている状態。 |
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Ⅱ期 | 癌の大きさが7cm以上で腎臓内に留まっている状態。 |
Ⅲ期 | 癌が腎臓を超えて周囲の脂肪組織や上下の大動脈にまで広がっているが、リンパ節への転移は見られない状態。あるいは癌が腎臓内に留まっているもののリンパ節への転移が1個見られる状態。 |
Ⅳ期 | リンパ節への転移の有無に関係なく、癌が腎臓を覆う一番外側の組織「Gerota筋膜」を超えて広がっている状態。あるいは癌の大きさや浸潤度に関係なく、リンパ節に2個以上の転移が認められる場合や他の臓器にまで転移している場合。 |
腎臓癌のステージ分類には、国際規格である「TNM分類」が用いられています。
腎臓に発生した癌がどれ程の大きさに成長しているか、どの程度広がっているかを表します。T1とT2は癌が腎臓内に留まっている状態、T3は癌が腎臓周辺組織にまで進展しているもののGerota筋膜は超えていない状態、T4は癌が同じ側の副腎、あるいはGerota筋膜を超えている状態です。
癌の大きさや浸潤度とは関係なく、リンパ節に転移しているかどうかを表します。N0は転移していない状態、N1は1個の転移が見られる状態、N2は2個以上の転移が見られる状態です。
腎臓から離れた臓器に転移しているかどうかを表すもので、M0は遠隔転移なし、M1は遠隔転移ありです。
癌が4cm以下でリンパ節への転移も見られない場合には、腎部分切除で癌だけを取り除きます。一方で「癌が大きい」「部分切除では対応しきれない」などと判断された場合には腎摘除が行われます。ただ、部分切除であれば治療後に腎機能が低下して慢性腎臓病になる確率は低いため、可能な限りは部分切除が勧められているのです。
癌の大きさが7cm以上ともなると部分切除では対応できないため、腎摘除が行われます。再発防止のために周囲の脂肪も取り除き、リンパ節への転移が見られる場合にはリンパ節郭清(癌の周りにあるリンパ節の切除)も行われます。可能な限り、腎摘除も腹腔鏡下手術で行いますが、それが難しい場合には開腹手術となります。
遠隔転移が見られない場合には腎摘除が行われ、この際に浸潤している部分も一緒に切除します。転移が見られる場合でも可能なら摘除し、可能であれば転移したところ(転移巣)も切除することになるでしょう。
しかし、転移巣は残った場合やそもそも手術は不可能と判断された場合には、放射線療法や薬物療法で癌の進行を遅らせます。