公開日: |更新日:
掲載している治療法は保険適用外の自由診療も含まれます。自由診療は全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
参照元:全国がんセンター協議会(全がん協加盟施設の生存率協同調査)/全がん協生存率
腎臓癌は全身の各部位へ転移する可能性があるとされていますが、特に腎臓癌の転移リスクがある部位は肺であるとされています。また、肺の他にも骨や脳へ癌細胞が転移する可能性があり、転移先や進行度によって現れる症状にも違いが生じる傾向にあります。
国立がん研究センターによる「がん情報サービス」によれば、転移によって現れる症状として以下のようなものが挙げられています。
転移に伴う症状としては、肺への転移では、胸の痛み・咳・血痰(けったん)・黄疸など、骨への転移では、骨の痛み・骨折など、脳への転移では、頭痛・片側の運動麻痺(まひ)などがみられます。また、がんが全身へ広がる(転移する)のに伴って、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状があらわれます。
引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 腎細胞がん 治療(https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/treatment.html)
なお、癌が転移・再発した場合の治療としては、癌の状態や患者の心身の症状に合わせて複数のプランが検討されるため、まずは転移癌や再発の状況を正確に診断してもらうことが重要です。
腎臓癌(特に腎細胞癌)は、血流が豊富な臓器であることから、肺・骨・脳などへ遠隔転移しやすいとされています。初回診断時にすでに転移がみられることも少なくありません。
特に多い転移先は肺で、胸痛・咳・血痰といった呼吸器症状が出ることがあります。他にも骨転移では痛みや骨折、脳転移では頭痛や麻痺などの神経症状がみられる可能性があります。
転移に伴う症状としては、肺への転移では、胸の痛み・咳・血痰、骨への転移では、骨の痛み・骨折、脳への転移では、頭痛・片側の運動麻痺などがみられます。また、がんが全身へ広がるのに伴って、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状があらわれます。
腎臓癌が再発・転移した場合には、薬物療法や緩和ケアなど複数の選択肢の中から、がんの進行状況や症状に応じて治療方針が検討されます。
腎臓癌とは、腎臓の実質部(尿をつくる部分)にある細胞ががん化して発生する「腎細胞癌」のことを指します。腎臓内でも「腎盂(じんう)」と呼ばれる尿の通り道に発生するがんは、腎盂尿管癌と呼ばれ、腎細胞癌とは異なる種類のがんです。
腎細胞癌は、全腎臓癌の約9割を占め、60〜70歳代の男性にやや多い傾向があります。早期には症状が乏しく、健康診断や画像検査で偶然見つかることが増えています。
腎臓癌は初期段階ではほとんど症状がなく、無症候性に経過することが多いがんです。進行すると以下のような症状が見られるようになります。
ただし、これらの症状は腎臓癌に特有というわけではなく、他の腎疾患でも見られることがあるため、早期発見には画像検査が重要とされます。
腎臓癌の再発は、術後1〜3年以内に最も多く、全体の約20〜30%にみられるとされています。手術で腫瘍を取り除いても、目に見えないレベルで残っていたがん細胞が再び増殖することで再発が起こります。
特に腫瘍が大きい・悪性度が高い・静脈内進展があるといった症例では、再発リスクが高まるといわれています。再発部位は、肺、骨、リンパ節、局所(腎摘除部)などです。
一方で、腎臓癌は比較的薬剤抵抗性が低くないがん種とされ、進行例や再発例でも新しい分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬によって治療成績が改善してきています。
再発予防を目的として手術後に薬物療法を行うことは、現時点ではその効果が明確ではなく、重篤な副作用の報告もあることから、推奨されていません。
腎臓癌の治療には、外科手術、局所療法、薬物療法、放射線治療、緩和ケアなど複数の選択肢があります。治療方針は、がんの進行度(ステージ)や広がり、全身状態、年齢、併存疾患、本人の希望などを総合的に考慮して決定されます。
また、高齢者や基礎疾患がある患者では、すぐに治療を開始せず、定期的な画像検査を行いながら経過を観察する「監視療法」が選択されることもあります。
根治的治療の第一選択は外科手術です。腫瘍の位置や大きさ、腎機能、対側腎の状態などにより、腎部分切除術または腎摘除術のいずれかが選ばれます。
腫瘍径が原則7cm以下の限局性腎癌で適応される手術です。可能な限り正常な腎機能を温存する目的で行われ、腹腔鏡やロボット支援によって低侵襲で実施されるケースが増えています。
腎実質全体を巻き込んでいたり、部分切除が困難な場合には、腎臓全体を摘出する腎摘除術が行われます。腫瘍が副腎や周囲組織に浸潤している場合は、周囲の臓器も含めて切除することがあります。
ロボット支援腎部分切除術は、細かい動作が必要な腎臓手術に適しており、術中出血の低減、入院期間の短縮、整容性の高さといった利点があります。2022年現在、全国多数の施設で保険診療として実施されています。
外科手術が難しい症例や高齢者、併存疾患を持つ患者などでは、低侵襲な局所療法が選択されることがあります。
カテーテルを用いて腎動脈を選択的に塞栓することで、がん細胞への血流を遮断し腫瘍を縮小させます。出血の抑制や疼痛緩和を目的に実施されることもあります。
腫瘍径が3cm以下の限局性腎癌では、ラジオ波焼灼術(RFA)や凍結療法(クライオアブレーション)が選択されます。画像ガイド下でがん病巣に針を挿入し、熱または冷却により腫瘍を破壊します。2025年現在、RFAは限られた施設での保険適用が開始されています。
腎細胞癌は放射線抵抗性があるため、根治を目的とした放射線治療は一般的ではありません。ただし、骨転移や脳転移などに対して、痛みの緩和や神経症状の改善を目的に緩和照射が行われます。
定位放射線治療(SBRT)を適応とする症例では、腎機能や腫瘍位置を慎重に検討した上で照射計画が立てられます。
進行性または転移性腎臓癌に対しては、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた薬物療法が標準治療として行われます。
腫瘍血管の新生やがん細胞の増殖に関わる分子を標的とする薬剤です。代表的な薬剤には、アキシチニブ、カボザンチニブ、レンバチニブなどがあります。
がん細胞が免疫細胞の働きを抑える仕組みを遮断し、免疫応答を回復させる治療です。主にニボルマブ+イピリムマブ、またはアキシチニブ+ペムブロリズマブといった併用療法が一次治療として推奨されています。
副作用には発疹、下痢、肝機能障害、内分泌異常(甲状腺機能低下など)があります。
根治が難しい進行がんや治療抵抗性の再発に対しては、痛みや不安の軽減、生活の質(QOL)の向上を目的とした緩和ケアが重要です。薬物療法や放射線治療も、延命より症状緩和に主眼を置いて行われることがあります。
腎臓癌の検査としてはCT検査やMRI検査、超音波検査など複数の検査が採用されており、検査の種類によって診断される結果や患者への影響が異なることもポイントです。
参照元:国立がん研究センター がん情報サービス 腎細胞がん 検査(https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/diagnosis.html)
静脈から造影剤を注入して体内の様子を撮影するCT検査は、腎臓癌の検査として一般的です。また、肺への転移を確かめるために胸部撮影が併用されることもあります。
超音波を体表面に照射し、体内から反響してきた音を画像へ変換することで、臓器の様子を診断する検査です。腎臓癌などの疑いが発見されることもありますが、腎臓癌の確定にはCT検査やMRI検査が必要です。
磁気を使って癌のサイズや状態、周囲への転移の有無などを確認します。CT検査の造影剤にアレルギーがある人でも利用することができます。ただし、体にタトゥー・刺青がある人では、場合によってタトゥー部分に炎症や熱傷が生じるといったリスクもあります。そのため、タトゥー・刺青を入れている方は、事前に主治医や検査技師と細かく相談するようにしてください。
体に細い針を刺して癌組織の一部を採取し、癌細胞を顕微鏡下で調べる検査方法です。CT検査やMRI検査といった画像診断だけで細胞の悪性度や状態が判断できない場合、生検によってより正確な分析が行われます。
骨痛の強度や血液検査の結果などを総合的に診断して、骨への転移の有無を調べる検査です。骨に転移しやすい腎臓癌では重要な検査といえるでしょう。
PET検査は放射線を発する微少な検査薬を体へ投与して、それがどのように体内へ分布しているのか確認する検査です。
癌細胞は通常の細胞よりも多くのブドウ糖を消費するという特性を利用し、癌検査では特殊なブドウ糖検査薬を活用して、ブドウ糖が特定の組織に集中していないかどうかを確かめます。
腎臓癌の患者では、血中成分にも様々な影響が与えられるため、血液検査によって腎臓癌の疑いを発見できる場合があります。
また、血液検査の発展系として、癌細胞がある場合に生産される物質の有無や量を分析し、体内に癌が発生しているかどうかを調べる腫瘍マーカー検査も一般的な検査法です。
腎臓癌を再発させないためには、喫煙・高血圧・肥満といった生活習慣病の管理が非常に重要です。とくに禁煙と減塩、適正体重の維持は、再発リスクを抑える要因とされています。
また、日常的な有酸素運動を行うことで、ストレス軽減や血流改善といった相乗効果が得られ、予防には効果的です。
なお、2025年時点でも術後補助療法(薬物療法・放射線治療)による明確な再発抑制効果は示されていません。したがって、術後の定期的な画像検査による早期再発の発見と対応が、最も有効な予防策とされています。
癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療をする事が重要です。
| Ⅰ期 | 癌の大きさが7cm以下で腎臓内に留まっている状態。 |
|---|---|
| Ⅱ期 | 癌の大きさが7cm以上で腎臓内に留まっている状態。 |
| Ⅲ期 | 癌が腎臓を超えて周囲の脂肪組織や上下の大動脈にまで広がっているが、リンパ節への転移は見られない状態。あるいは癌が腎臓内に留まっているもののリンパ節への転移が1個見られる状態。 |
| Ⅳ期 | リンパ節への転移の有無に関係なく、癌が腎臓を覆う一番外側の組織「Gerota筋膜」を超えて広がっている状態。あるいは癌の大きさや浸潤度に関係なく、リンパ節に2個以上の転移が認められる場合や他の臓器にまで転移している場合。 |
腎臓癌のステージ分類には、国際規格である「TNM分類」が用いられています。
腎臓に発生した癌がどれ程の大きさに成長しているか、どの程度広がっているかを表します。T1とT2は癌が腎臓内に留まっている状態、T3は癌が腎臓周辺組織にまで進展しているもののGerota筋膜は超えていない状態、T4は癌が同じ側の副腎、あるいはGerota筋膜を超えている状態です。
癌の大きさや浸潤度とは関係なく、リンパ節に転移しているかどうかを表します。N0は転移していない状態、N1は1個の転移が見られる状態、N2は2個以上の転移が見られる状態です。
腎臓から離れた臓器に転移しているかどうかを表すもので、M0は遠隔転移なし、M1は遠隔転移ありです。
癌が4cm以下でリンパ節への転移も見られない場合には、腎部分切除で癌だけを取り除きます。一方で「癌が大きい」「部分切除では対応しきれない」などと判断された場合には腎摘除が行われます。ただ、部分切除であれば治療後に腎機能が低下して慢性腎臓病になる確率は低いため、可能な限りは部分切除が勧められているのです。
癌の大きさが7cm以上ともなると部分切除では対応できないため、腎摘除が行われます。再発防止のために周囲の脂肪も取り除き、リンパ節への転移が見られる場合にはリンパ節郭清(癌の周りにあるリンパ節の切除)も行われます。可能な限り、腎摘除も腹腔鏡下手術で行いますが、それが難しい場合には開腹手術となります。
遠隔転移が見られない場合には腎摘除が行われ、この際に浸潤している部分も一緒に切除します。転移が見られる場合でも可能なら摘除し、可能であれば転移したところ(転移巣)も切除することになるでしょう。
しかし、転移巣は残った場合やそもそも手術は不可能と判断された場合には、放射線療法や薬物療法で癌の進行を遅らせます。