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骨転移した癌へのトモセラピー治療

ここでは、癌細胞が血流に載って骨に広がる骨転移癌に対してもトモセラピーが有効なのかどうか、また骨転移した癌へのトモセラピー治療のメリット・デメリットについて解説します。

骨転移した癌にトモセラピー治療は効果を期待できるのか?

骨転移した癌の特徴

骨転移とは、体のどこかで発生した癌細胞が血液の流れに乗って、骨にまで広がることで発生します。骨は肝臓や脳と同様に癌転移が起こりやすい部位であり、骨転移癌は別名として「転移性骨腫瘍」と呼ばれることもある病気です。なお、そもそも骨を形成する細胞に癌が発生する「原発性骨腫瘍」とは区別されています。

骨転移を起こしやすい癌

骨転移を引き起こしやすい癌としては、多発性骨髄腫や肝臓癌、肺癌、乳癌、前立腺癌などが挙げられます。ただし、基本的にはどのような癌であっても骨転移が起きる可能性があるため、癌治療を進める上で油断することはできません。

骨転移が発生しやすい部位(骨)

骨転移が起こりやすい部位としては、脊椎(背骨)や肋骨、大腿骨、骨盤、上腕骨などが挙げられます。また、骨盤や大腿骨といった体重を支える骨や、神経が集まっている脊椎に骨転移が生じた場合、骨折や神経マヒによって日常生活に支障を来すこともあるでしょう。

骨転移による症状

癌が骨転移した場合、まず骨の痛み(骨痛)が現れます。さらに骨の強度がもろくなるため、骨折リスクが高まったり、脊椎に骨転移が生じればマヒが生じることもあります。その他にも、倦怠感や食欲不振、体重減少といった症状も典型です。

骨転移した癌の治療法

骨転移した癌の治療では、骨の痛みや骨の強度低下、カルシウム不足などに対する内科的ケアが行われます。また、癌の進行を抑える目的で化学療法も行われます。

さらに、骨転移癌では放射線治療も有効です。特に、骨痛を訴える患者に対して放射線治療は効果的で、適切に癌の位置を見分けて放射線照射(定位照射)を行うことで、放射線による癌の治療効果を高めることも可能です。

その他、骨折や神経圧迫に対して外科的治療が行われたり、治療後の機能回復を目的としてリハビリが進められたりすることもあります。

骨転移した癌にトモセラピーが期待できる理由

そもそも骨転移した癌の治療において、放射線治療は有効です。しかし、強力な放射線治療は副作用のリスクも大きく、患者によっては期待通りの効果を得ることが難しいケースもあるでしょう。そのため、基本的に放射線の強度を調整しながら、患者の状態と癌の状態を比較検討しつつ治療を進めることが一般的です。

トモセラピーでは、治療ごとに患者の癌細胞の位置を確認した上で、CTのように全身360度方向から放射線を照射することが可能です。つまり、全身の様々な骨に癌が転移している場合でも放射線治療を進めることができます

また、トモセラピーでは同時に複数の部位へ照射できる点も重要です。全身への放射線照射だけでなく、癌細胞へピンポイントで適切な強度の放射線を照射できるため、痛みケアや癌細胞の退縮など目的に合わせて治療プランを選択しやすいことも魅力です。

骨転移した癌の治療におけるトモセラピーのメリット・デメリット

メリット

副作用を抑えながら治療効果を高められる

放射線照射が必要な部位とそうでない部位を事前に確認した上で、目的となる癌細胞へピンポイントで放射線を照射できるトモセラピーでは、正常組織への被ばく量を抑えることが可能です。そのため、副作用のリスクを抑えつつ、より患者の状態に合わせた治療プランを進めていけるといえるでしょう。

全身の骨転移へ幅広く対応可能

トモセラピーは全身の各所へ転移した複数の癌にも、一括して放射線治療を進められることがメリットです。血流に載って癌細胞が広がる骨転移は、下半身から上半身まで色々な骨に癌が転移するリスクがあり、トモセラピーを用いることで幅広くケアすることができます。

デメリット

トモセラピー専用施設がなければ治療できない

トモセラピーによる高精度放射線治療は、そもそもIMRT(強度変調放射線治療)専用機がなければ実施することができません。そのため、どれほど治療効果を期待できるトモセラピーであっても、治療できる施設が限定されている点はデメリットです。

副作用リスクも0ではない

トモセラピーは従来の放射線治療よりも副作用のリスクを軽減しやすく、安全性や正確性に優れている治療とされています。しかし、それでも副作用リスクは0でなく、倦怠感や吐き気、脱毛といった副作用が生じる恐れもあるでしょう。