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甲状腺癌

甲状腺癌について解説していきます。

甲状腺癌の5年生存率・10年生存率

5年生存率

10年生存率

甲状腺癌が転移しやすい箇所

甲状腺癌は局所の再発や甲状腺周囲のリンパ節への転移が多くみられる一方、肺や骨、肝臓など他の臓器への転移は稀といわれています。

甲状腺癌はどのような癌か

甲状腺とは、喉にある重さ10〜20g程度の小さな臓器で甲状腺ホルモンという全身の新陳代謝や成長の促進に関わるホルモンを分泌している臓器。

甲状腺癌はその甲状腺に発生する癌です。病理組織診断から主に「乳頭癌」「濾胞癌」「髄様癌」未分化癌の4つに分けることができます。

甲状腺癌の主な症状

甲状腺癌では初期ではほとんど症状はみられません。

最初の症候として、甲状腺部にしこりが出現して気づくことが多いようです。

他には喉の違和感・痛み・飲み込みにくさ・声のかすれ・血痰などの症状がみられます。

甲状腺癌が再発しやすい理由・しにくい理由

甲状腺癌は最初の治療で癌細胞が完全に取り除かれた場合は再発する事はありません。

しかし目に見えない僅かな癌細胞が残っていたり、他の部位への転移があった場合には、その癌細胞が増殖して再発を起こします。

甲状腺癌は10年生存率も比較的高く、再発や転移はしにくいといわれています。

甲状腺癌に用いられる治療法

甲状腺癌が再発した場合、局所の再発で切除可能であれば根治を目指し、外科手術にて癌細胞を取り除きます。

外科手術は進行度によって甲状腺を半分切除する半葉切除、甲状腺癌を全て切除する全摘出術か選択されます。

外科手術では根治が望めない場合や他の部位に遠隔転移が見られる場合は放射線治療や抗がん剤治療が選択されます。

再発しないための予防法

甲状腺癌の再発を予防するためには生活習慣の改善が有効といわれています。禁煙や適度な運動、塩分・アルコールを過剰摂取しない事、ストレスを溜めないことは、癌の予防に重要です。

また術後補助療法は癌再発のリスクを大幅に減少できます。

癌が再発した場合は、癌治療専門病院へ行き、早めに適切な治療を行う事が重要です。

甲状腺癌のステージ

ここでは、ステージごとの甲状腺癌の状態について解説します。

ステージ分類

乳頭癌、濾胞癌のステージ

乳頭癌・濾胞癌(ろほうがん)のステージ分類は、患者さんの年齢によって異なります。

患者さんが55歳未満の場合は、遠くの臓器への転移がない場合をⅠ期、転移が見られる場合をⅡ期に分類します。55歳以上の患者さんのステージ分類については、以下の表を参考にしてください。

Ⅰ期 癌の大きさが2cm以下で、甲状腺の内側に留まっており、かつリンパ節や遠くの臓器への転移がない状態です。
Ⅱ期 大きさ4cm以上の癌が、甲状腺の内側に留まっている状態です。また、癌が首の前面にある筋肉(前頸筋群)にのみ広がっている場合や、甲状腺内~前頸筋群までの癌が領域リンパ節に転移している場合も、このステージに分類されます。
Ⅲ期 癌が甲状腺を越えて、皮下軟部組織、喉頭、食道、気管、甲状腺の後ろ側にある反回神経のいずれかに広がっている状態です。なお、リンパ節への転移の有無は問いません。
ⅣA期 癌が甲状腺の外にある組織(左右の肺の間にある血管など)に広がっているか、癌が頸動脈全体を取り囲んでいる状態です。前述の条件に該当する場合は、領域リンパ節への転移があってもなくても、このステージに分類されます。
ⅣB期 癌が甲状腺から遠くにある臓器に転移している状態です。なお、癌の大きさや浸潤の度合いは問いません。

髄様癌(ろほうがん)のステージ

乳頭癌・濾胞癌の場合とは異なり、髄様癌のステージ分類は年齢に左右されることはありません。

Ⅰ期 癌の大きさが2cm以下で、甲状腺の内側に留まっており、かつリンパ節や遠くの臓器への転移がない状態です。
Ⅱ期 大きさ2cm以上の癌が、甲状腺の内側に留まっている状態です。また、癌が首の前面にある筋肉(前頸筋群)にのみ広がっている場合も、このステージに分類されます。
Ⅲ期 甲状腺の内側、あるいは前頸筋群にのみ広がっている癌が、甲状腺周囲のリンパ節に転移している状態です。
ⅣA期 癌が甲状腺を越えて、皮下軟部組織、喉頭、食道、気管、甲状腺の後ろ側にある反回神経のいずれかに広がっている状態です。この場合、リンパ節への転移の状況は問いません。
また、Ⅲ期までの大きさの癌が甲状腺の周り以外のリンパ節に転移している場合も、ステージはⅣAに分類されます。
ⅣB期 癌が甲状腺の外にある組織(左右の肺の間にある血管など)に広がっているか、癌が頸動脈全体を取り囲んでいる状態です。
ⅣC期 癌が骨や肺など、甲状腺から遠くにある臓器に転移している状態です。

未分化癌のステージ

未分化癌のステージは、ⅣA~ⅣCの3段階に分類されます。

ⅣA期 癌が甲状腺の内側に留まっており、かつリンパ節や遠くの臓器への転移がない状態です。
ⅣB期 甲状腺内の癌が、リンパ節に転移している状態です。
また、癌が前頸筋群にのみ浸潤している場合や、皮下軟部組織・喉頭・気管・食道・反回神経のいずれかに浸潤している場合、癌が頸動脈を取り囲んでいる場合、肺に囲まれた血管や椎前筋膜に広がっている場合にも、このステージに分類されます。
ⅣC期 癌が骨や肺などの遠くの臓器に転移している状態です。
ⅣA期 癌が甲状腺の外にある組織(左右の肺の間にある血管など)に広がっているか、癌が頸動脈全体を取り囲んでいる状態です。前述の条件に該当する場合は、領域リンパ節への転移があってもなくても、このステージに分類されます。
ⅣB期 癌が甲状腺から遠くにある臓器に転移している状態です。なお、癌の大きさや浸潤の度合いは問いません。

ステージの分類方法

甲状腺癌のステージは、「癌の大きさや浸潤の程度」「リンパ節への転移の状況」「他の臓器への転移の有無」の3つの指標に基づいて分類されます。

なお、乳頭癌および濾胞癌の場合は、患者さんの年齢によっても分類方法が変わります。患者さんが55歳以上の場合は前述の3つの要素を組み合わせてステージの判断を行いますが、55歳未満の場合は、他の臓器への転移の有無のみに基づいてステージを分類するのです。

ステージごとの治療方針

乳頭癌、濾胞癌の場合

どのステージでも、基本的には手術によって治療を行います。手術の後には、放射性ヨードを内服することで体の内側から甲状腺組織に放射線を浴びせるアブレーション治療を行うことも。

また、遠隔転移のあるⅣ期の癌に対しては、放射性ヨードを大量に投与する治療が行われることもあります。

髄様癌の場合

どのステージでも、基本的には手術によって甲状腺を全摘します。場合によっては、首のリンパ節や脂肪組織などを広範囲にわたって取り除く頸部郭清(けいぶかくせい)を行うことも。

また、再発した癌である場合や、他の臓器への転移が見られる場合には、癌を攻撃する分子標的薬を用いた治療が行われることもあります。

未分化癌の場合

ⅣAおよびⅣB期で、かつ手術が可能である場合には、手術によって甲状腺を取り除きます。また、その後は補助療法として、放射線や薬物もしくはその両方による治療を行います。

手術が困難な場合や、ⅣC期の患者さんに対しては、放射線治療や化学療法といった手術以外の手段を組み合わせた集学的治療を行います。