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掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。
癌の再発とは、治療を受けて一旦症状が全くなくなってから再び癌が出現する事をいいます。原発癌(最初にできた癌)の治療が上手くいったように見えていても、再び出現する可能性があるのが癌の恐ろしい部分です。
血液やリンパの癌、前立腺癌などの場合には、「再発」ではなく「再燃」という表現が使われることもあります。実際に癌が見つかった時には転移している可能性があるとも言われ、再発や転移を防ぐためにも抗がん剤が使われることが多いです。
癌が再発すると、局所症状と全身症状の両面で現れることが多いです。
治療を受けた部位付近で再発が起こる場合、以下のような症状が現れる可能性があります。
再発が進行すると、全身性の症状も出現することが多く、以下のような症状が共通して報告されています。
癌が転移して各臓器に再発した場合、症状は転移先によって大きく異なります。
さらに、再発初期には症状が非常に微妙で、わずかな体調変化(たとえば、微熱や軽度の疲労感、夜間の発汗など)に留まる場合もあるため、日々の体調管理が非常に重要です。
治療で根こそぎ取り除いたと思っていても、検査では見つけられない微小な癌細胞(微小残存病変)が残っている場合があります。
それらの細胞が、時間をかけてその場所で増殖したり、血液やリンパの流れに乗って他の部位に移動(転移)し、そこで再び増殖して再発を引き起こすのです。
癌は発症する場所や種類によって異なりますが、一般的に治療後5年を経過しても再発が見られなければ、治癒とみなされることが多いです。
ただし、癌の種類や進行度によって経過観察の期間は異なります。例えば、胃癌や大腸癌は5年以降の再発は比較的稀ですが、乳癌、特にホルモン受容体陽性の乳癌では、10年を超えて再発する可能性も指摘されています。近年では、分子標的治療薬や内分泌療法などの進歩により、長期的な経過観察と再発リスクの管理がより重要視されています。
癌の再発が疑われる際の検査は、癌の種類や過去の治療、そして再発が疑われる部位によって異なります。
一般的には、問診、触診、視診に加え、腫瘍マーカー検査、血液検査、尿検査などの全身状態を評価する検査が行われます。画像検査としては、レントゲン検査、CT検査、MRI検査、PET検査などが、再発部位や転移の有無を確認するために用いられます。近年では、必要に応じて内視鏡検査や生検(組織採取)が行われ、病理学的診断によって再発の確定診断を行います。また、遺伝子パネル検査などの分子生物学的検査が、治療方針の決定に役立つこともあります。
再発した癌の完治は、癌の種類、進行度、治療法、そして患者さんの全身状態によって大きく異なります。一般的に、初回治療と比較して再発後の完治は難しいとされることが多いですが、近年では、治療法の進歩により、根治を目指せる場合や、長期にわたり病状をコントロールし、生活の質を維持することが可能になってきています。
特に、特定の遺伝子変異を持つ癌に対する分子標的薬や、免疫チェックポイント阻害薬などの免疫療法は、再発がんの治療成績向上に貢献しています。
がんの再発と転移は、同じがん細胞によるものですが、異なる現象です。再発とは、治療によって一旦消失した癌が、元の場所またはその近くに再び出現することを指します。一方、転移は、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って元の場所から離れた別の臓器や組織に移動し、そこで新たに癌を形成する状態です。
がんの再発時の進行速度は、元のがんの種類や悪性度、治療歴、再発部位、そして患者さんの全身状態など、様々な要因によって異なります。一般的に、再発したがんは初回治療時と比較して進行が速い場合もありますが、近年では、分子標的薬や免疫療法など、進行を遅らせる効果が期待できる治療法も登場しています。
再発後の進行速度を予測することは困難ですが、定期的な検査や画像診断によって病状を把握し、適切な治療を行うことが重要です。
がん治療後の再発リスク(再発率)は、がんの種類、病期(ステージ)、初回治療の内容、患者さんの全身状態など、多くの要因によって大きく異なります。一般的に、早期のがんほど再発率は低いですが、進行したがんでは再発のリスクが高まります。再発の時期や部位も、がんの種類によって特徴があります。
近年では、個々の患者さんのリスク評価に基づいた、より個別化された治療戦略や経過観察が行われるようになってきています。また、術後補助療法(手術後の薬物療法や放射線療法など)の進歩により、一部のがんでは再発率の低下が期待されています。
癌の再発は、患者さんご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな精神的な負担となります。最も大切なことは、患者さんの気持ちに寄り添い、精神的な支えとなることです。再発は治療の終わりではなく、新たな治療の始まりとなることもあります。日常生活のサポートや、医療チームとの連携を通じて、患者さんが安心して治療に臨める環境を整えることが重要です。ご家族自身も無理をせず、必要に応じて医療機関の相談支援センターや患者会、家族会などのサポートを活用することも大切です。