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再発した癌は完治するのか

掲載している治療法はすべて保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。症状・治療法・クリニックにより、費用や治療回数・期間は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、副作用や治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

再発した癌の治療は、初発の癌と比較して一般的に困難となることが多いですが、近年では治療法が進歩し、進行を抑えながら長期生存を目指したり、一部の限られた状況下では根治を目指せる可能性も出てきています。こちらでは再発した癌に対する治療方法を解説していきます。

再発した癌へのアプローチは2種

癌の再発は、大きく分けて遠隔転移による再発と局所再発の2つに分類されます。遠隔転移は、癌細胞が血液やリンパの流れに乗って他の臓器に移動し、そこで増殖するものです。局所再発は、最初に癌が発生した場所またはその近くで、残存していた癌細胞が増殖するものです。

現代の医学では、これらの再発に対して様々なアプローチが可能となっています。主な治療の目的は、根治を目指すことと、癌の進行を抑え、症状を緩和し、生活の質を維持することの2つに分けられます。

根治を目指せる方法

根治とは、癌を完全に治癒させることを指し、それを目指す治療法です。主に外科手術、血管内治療、放射線治療が選択肢として挙げられます。

外科手術

手術によって癌の病巣を物理的に切除する方法です。

初めて癌が発見され、特定の臓器に限局しており、転移がないと診断された場合に根治的な手術が検討されます。

再発の場合、再発した癌が限られた局所にのみ認められ、かつ全身状態が手術に耐えられる場合に、根治を目指した切除が検討されることがあります。しかし、再発癌は既に微小な転移を起こしている可能性や、周囲の組織との癒着が強い場合などがあり、外科手術の適応となるケースは限定的です。

血管内治療

血管内治療は、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、目的の部位に薬剤を投与したり、血管を塞栓したりする方法です。

癌に対する血管内治療の主な種類は以下の通りです。

主に肝臓癌や腎臓癌など、血管が豊富な臓器の局所再発に対して根治を目指して行われることがあります。遠隔転移がある場合は、根治的な治療ではなく、腫瘍の縮小や進行の抑制、症状の緩和を目的とした局所療法として用いられることがあります。

放射線治療

放射線治療は、高エネルギーの放射線を照射することで、癌細胞のDNAを損傷させ、増殖を抑制したり、死滅させたりする治療法です。近年、放射線治療技術は進歩し、周囲の正常組織への影響を最小限に抑えながら、癌細胞に集中的に照射することが可能になっています。

局所再発の場合、放射線治療単独または他の治療法と組み合わせて根治を目指すことがあります。しかし、放射線は照射した部位にしか効果がないため、広範囲に転移している癌に対しては、全身的な効果は期待できません。転移部位に対する症状緩和を目的とした照射が行われることはあります。

癌の進行を抑える方法

癌を完全に治癒させることは難しい場合でも、治療によって癌の進行を遅らせ、症状を和らげ、患者さんの生活の質を維持することが重要となります。主な治療法として、薬物療法(抗がん剤治療、分子標的治療、内分泌療法など)と免疫療法が挙げられます。

薬物療法(抗がん剤治療、分子標的治療、内分泌療法など)

薬物療法は、薬剤を用いて癌細胞の増殖を抑制したり、癌細胞を死滅させたり、癌の成長に必要な特定の分子の働きを阻害したりする治療法です。抗がん剤治療の他に、癌細胞の特定の分子を標的とする分子標的治療薬や、ホルモンの影響を受ける癌に対してホルモンの働きを抑える内分泌療法などがあります。

多くの薬は血液によって全身に運ばれるため、手術や放射線治療では治療が難しい遠隔転移のある癌や、全身に広がった癌に対して有効であり、再発や転移後の癌の進行を抑制する上で重要な役割を果たします。

副作用は薬剤の種類によって異なりますが、吐き気、脱毛、倦怠感などが起こることがあります。近年では、副作用を軽減するための支持療法も進歩しています。

免疫療法

免疫療法は、患者さん自身の免疫 system を活性化または調整することで、癌細胞を攻撃し排除する治療法です。免疫チェックポイント阻害薬などが開発され、一部の進行癌や再発癌に対して目覚ましい治療効果を示すことが報告されています。

免疫療法は、従来の抗がん剤とは異なる作用機序を持つため、手術や放射線治療が困難な進行癌や再発癌に対しても有効な選択肢となる可能性があります。正常細胞への影響が比較的少ないと考えられていますが、自己免疫反応による副作用が生じることがあります。

免疫療法は、近年急速に進歩している分野であり、様々ながん腫に対する臨床試験が行われています。治療効果や適応については、科学的根拠に基づいた慎重な判断が必要です。抗がん剤の効果を打ち消す可能性については、特定の薬剤の組み合わせにおいて報告されていますが、一概には言えません。

セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは、現在の主治医の診断や治療方針について、他の専門医や医療機関の意見を求めることを指します。 特に再発がんの場合、初発時とは異なるアプローチや新しい治療法が登場している可能性があるため、複数の視点を得ることが重要です。

セカンドオピニオンを求める目的

1. 治療選択肢の拡大

再発がんでは、手術、化学療法、放射線治療、新しい治療法(分子標的治療、免疫療法など)など多くの選択肢が存在します。他の医療機関では、異なる治療方針や臨床試験への参加機会が提示される可能性があります。

2. 自分に最適な治療法の確立

主治医の提案に納得できない場合や疑問がある場合に、別の医師の意見を聞くことでより納得のいく治療方針を確立できます。

3. 誤診や見落としの防止

がんの再発時には、診断が難しいケースもあるため、複数の医師が診断を確認することで誤診や見落としのリスクを軽減します。

4. 精神的な安心感

他の専門医の意見を得ることで、現在の治療方針への理解が深まり、不安が軽減されます。

セカンドオピニオンを求める流れ

  1. 主治医に相談

    セカンドオピニオンを受けたい旨を主治医に伝えます。必要な診療情報提供書(紹介状)や検査結果のコピー(CTスキャン、MRI、血液検査の結果など)の準備を依頼します。

  2. 医療機関の選択

    セカンドオピニオンを受ける医療機関を選びます。「がん診療連携拠点病院」などの専門施設は、セカンドオピニオンを受け入れる体制が整っています。

  3. 予約と事前準備

    セカンドオピニオン外来を予約します。事前に疑問点や相談したい内容を整理し、質問をリスト化しておきます。

  4. 意見を聞く

    セカンドオピニオン外来で、現在の診断や治療方針に対する意見を聞きます。疑問点をしっかりと質問し、治療法の選択肢について具体的な説明を受けます。

  5. 主治医との再相談

    セカンドオピニオンの結果を持ち帰り、主治医と再度話し合います。主治医と良好な関係を維持することが重要です。

セカンドオピニオンのメリット

セカンドオピニオンのデメリット・注意点

まとめ

再発がんの治療選択において、セカンドオピニオンは患者にとって貴重な機会を提供します。他の専門医の意見を聞くことで、より納得感のある治療法を選択し、不安を軽減することができます。 ただし、費用や時間的な制約、医療機関の選定に注意を払う必要があります。セカンドオピニオンを活用しながら、患者自身が主体的に治療に向き合うことが重要です。