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5年生存率とは何か?

5年生存率とは、どのようなものなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

5年生存率とはどのようなものなのかまとめ、日本における現状などについて解説しています。ぜひ参考にしてください。

5年生存率とは

この数値は、日本人全体と比べての生存のしやすさの指標の1つでもあります。

日本人全体と比べての生存のしやすさ

あるがんと診断された場合、治療によってどのくらい命を救えるかを示す指標の1つのことです。異なる集団・時点などについて比較するため、慣例的に使われています。

あるがんと診断を受けた方のうち、5年後に生存している割合が、日本人全体と比較して、どの程度低いかのかであらわします。100%に近いほど、治療によって命を救えるがんであり、0%に近いほど治療で命を救うのは難しいがんであることを指します。

参照元:がん情報サービス(最新がん統計)

5年生存率は「過去の統計データ」である

多くのがんは治療後5年間で再発が見られなければ、その後の再発する可能性は低下すると考えられており、5年という1つの基準を設けています。

最新の5年生存率は、国立研究開発法人国立がん研究センターが全国がんセンター協議会の協力を得て、部位別の5年生存率と10年生存率についてまとめ、全がん協ホームページで公表したのが2021年のことになります。

このデータは2011から2013年症例・過去のデータをもとにしており、現在からタイムラグが生じてはいます。医療の進歩によって、今後の治療成績はさらに向上していくと考えられています。

また、これらは個人の予後を決定づけるものではなく、あるがんと診断された方のうち、診断から5年後に生存している方の割合を示していることから、それぞれの患者さんの生存期間が必ずこの数字になるわけではありません。あくまで参考情報として考える必要があります。

参照元:国立がん研究センター(全がん協加盟がん専門診療施設の5年生存率、10年生存率データ更新 グラフデータベースKapWeb更新)

日本におけるがんの5年生存率の現状

日本におけるがんの5年生存率の現状も気になるものです。ここでは、全体の生存率や部位別の生存率について解説していきます。

全体の5年生存率

2021年に公表された5年相生存率は、2011~2013年症例であり、10回目の公表となります。全部位は、68.9%であり、前回(2010~2012年症例では68.6%)より0.3%増という結果でした。

参照元:国立がん研究センター(全がん協加盟がん専門診療施設の5年生存率、10年生存率データ更新 グラフデータベースKapWeb更新)

部位別・臓器別の5年生存率比較

部位別・臓器別の5年生存率については、以下の表をご覧ください。

データ 男性 女性
1 前立腺:99.1 甲状腺:95.8
2 皮膚:94.4 皮膚:94.6
3 甲状腺:91.3 乳房:92.3
4 喉頭:81.8 喉頭:81.7
5 膀胱:76.5 子宮体部:81.3

参照元:がん情報サービス(最新がん統計)

※上記は、部位別・単位は%となっています。

サバイバー生存率

がんと診断を受けた後、ある時点まで生存していた方たちが、そこから5年間生存できる確率のことを言います。

上記の指標は、治療した後に「これからどのくらい生きられる可能性があるのか」を知るためのものです。国立がん研究センターでは、生存率の推移についてグラフでわかりやすく見せています。診断後の時間経過と共に、生き延びる可能性が高まることを視覚化すると、患者・家族にとって希望につながります。

この数値は、診断からの経過年数が増加していくほど生存率が高まっていることから、治療の進歩や長期にわたる生存の可能性を具体的に示しています。この数値は、より建設的で前向きな気持ちになることができ、医師とのコミュニケーションを前向きに進める助けにもなるでしょう。

進化する治療法と個別化医療

5年生存率は、過去の統計データであり、現在からタイムラグが生じています。

この数値は個人の予後を決定づけるものではなく、参考情報としてとらえていくことが重要です。治療法の選択によっては、未来は変えていくことも可能です。治療や症状で不安に思うことがあれば、一人で抱え込まずに、主治医や医療スタッフに相談するようにしましょう。

がんが再発した場合、セカンドオピニオンを受けることで、診断や治療方針の妥当性の確認につながるだけではなく、病気や治療への理解を深められます。

納得のいく治療を受けるためにも、セカンドオピニオンを検討するのも1つの方法です。以下では、がんが再発した際に相談・セカンドオピニオンを受けられる病院についてご紹介していますので、参考にしてみてください。