癌の再発と上手に付き合うためのサイト » 癌の再発とは » 局所制御率とは?

公開日: |更新日:

局所制御率とは?

掲載している検査の解釈や治療法については一般的な情報です。症状・良性疾患の有無・クリニックにより対応は変動しますので、詳しくは直接クリニックへご相談ください。
また、検査結果の判断や副作用、治療によるリスクなども診療方法によって異なりますので、不安な点については、各クリニックの医師に直接確認・相談してから治療を検討することをおすすめします。

再発したがんの治療法を調べていると、放射線治療の説明などで「局所制御率〇%」という数字を目にすることがあります。

生存率とは何が違うのか、数字が高ければ治るということなのか、迷う方も多いでしょう。
ここでは、局所制御率の意味、ほかの指標との違い、数値を見るときのポイント、再発がんの治療で局所制御が大切とされる理由をわかりやすく解説します。

局所制御率とは

局所制御率とは、治療を行った部位に、がんの再発が起こらなかった割合のことです。放射線治療では「放射線を照射した部位から再発や再燃が起こらない確率」という意味で使われ、治療の効果を示す代表的な指標のひとつになっています。

ここでいう「局所」とは、治療の対象になった場所を指します。「制御」とは、その場所のがんが再び大きくなったり、新たに現れたりせずに抑えられている状態のことです。

「〇年局所制御率」の意味

局所制御率は、多くの場合「2年局所制御率」「3年局所制御率」「5年局所制御率」のように、治療からどれくらいの期間を見た数字かとセットで示されます。
たとえば5年局所制御率は、治療から5年間、治療した部位に再発が起こらなかった人の割合を意味します。同じ治療でも、見る期間が長くなるほど数値は変わりうるため、期間を確認することが大切です。

局所制御率と生存率・奏効率などの違い

がん治療の成績を表す指標には、局所制御率のほかにもいくつかの種類があります。それぞれ「何を数えているか」が異なります。

指標 何を表すか
局所制御率 治療した部位に、がんの再発が起こらなかった割合
生存率(全生存) 一定期間後に生存している人の割合。がん以外の原因による死亡も含めて数える
無増悪生存期間(PFS) 治療開始などから、がんの増悪または死亡のどちらか早いほうが起こるまでの期間
奏効率 治療によって、がんが消えた。または一定以上小さくなった人の割合

生存率や無増悪生存期間が「体全体」の経過を見る指標であるのに対し、局所制御率は「治療した場所」に絞って効果を見る指標です。

局所制御率が高い=がんが治る、ではない

局所制御率は、あくまで治療した部位での効果を示す数字です。治療した場所のがんが抑えられていても、治療していない別の場所に再発・転移が起こる可能性は、局所制御率には含まれません。

そのため、局所制御率が高い治療であっても、それだけで「完治する」「再発しない」という意味にはなりません。治療全体の見通しは、局所制御率に加えて、ほかの部位への転移の有無、全身の状態、生存率などをあわせて考える必要があります。

局所制御率を左右する主な要因

照射する放射線の量と、正常組織への影響

放射線治療では、一般にがんに当てる放射線の量(線量)が多いほど、局所制御率は高くなると考えられています。一方で、線量を増やすと周りの正常な組織への影響(副作用)も大きくなります。

特に、治療後数か月から数年以上たって起こる「晩期障害」に注意が必要です。そのため放射線治療では、重い副作用を起こさずにがんを抑えられる線量を見極めて治療計画が立てられます。

がんの種類・大きさ・部位

放射線の効きやすさはがんの種類によって異なり、腫瘍の大きさや、周りに重要な臓器があるかどうかによっても、照射できる線量や治療成績は変わります。

初めての治療か、再発後の治療か

同じ部位に以前放射線治療を受けている場合は、正常組織がすでに放射線を受けているため、照射できる線量が限られることがあります。

局所制御率の数字を見るときのポイント

局所制御率は、どのような患者さんを対象に、どのように評価したかによって意味合いが変わる数字です。医療機関の説明や資料で局所制御率を見たときは、次のような点を確認すると、自分の状況に照らして理解しやすくなります。

数字だけで判断するのではなく、「この数字は自分の場合にも当てはまりますか」と、相談する医師に直接聞いてみることが大切です。

手術と放射線治療の局所制御

がんの種類によっては、局所制御率で手術が放射線治療を上回る疾患もあるとされています。その一方で放射線治療は、体を切らずに治療できるため、臓器や機能を残したい場合や、もともと手術で切除できない部位にできたがんに対して有効な治療法とされています。

再発したがんでは、以前の手術の影響や再発した場所によって、再手術が難しいケースも少なくありません。

再発がんの治療で局所制御が大切な理由

がんの再発には、もとの場所やその近くに再発する「局所再発」や、転移が限られた数にとどまる「オリゴ再発」のように、再発した病変が限られた範囲にあるケースがあります。

こうしたケースでは、再発した場所のがんをしっかり抑える(局所制御する)ことが、症状の悪化を防ぎ、病状を長く安定させることにつながる可能性があります。

また、背骨や骨盤などの骨への転移では、局所のがんを抑えることが痛みの緩和や骨折・神経の圧迫を防ぐことにもつながります。

よくある質問

Q.局所制御率と治癒率は同じ意味ですか?

A.同じではありません。局所制御率は治療した部位に再発が起こらなかった割合で、ほかの部位への転移は含まれません。がんが体全体から治ったかどうかは、局所制御率だけではわかりません。

Q.局所制御率は何%以上なら良いといえますか?

A.一概にはいえません。がんの種類や大きさ、部位、初発か再発か、何年時点の数字かによって、局所制御率の水準は大きく異なります。自分の状況でどの程度の効果が期待できるかは、医師に確認しましょう。

Q.局所制御率は放射線治療以外でも使われますか?

A.手術などほかの局所治療の効果を表すときにも使われます。ただし、特に放射線治療の成績を示す際によく用いられる指標です。

Q.再発したがんでも、局所制御を目指した治療は受けられますか?

A.再発した場所や数、過去の治療歴、全身の状態によって異なります。局所再発や転移が限られた範囲にとどまる場合などは、局所制御を目指した治療が検討されることがあります。まずは主治医に相談し、必要に応じてセカンドオピニオンを活用しましょう。

まとめ

局所制御率とは、治療した部位にがんの再発が起こらなかった割合のことで、特に放射線治療の効果を示す指標として使われます。生存率や無増悪生存期間が体全体の経過を見る指標であるのに対し、局所制御率は「治療した場所」に絞った指標です。

局所制御率は、見る期間や対象となる患者さんの状態によって意味合いが変わります。数字を見るときは、期間や対象、治療の目的を確認し、自分の場合に当てはまるかを医師に相談することが大切です。

再発したがんでも、再発の範囲によっては局所制御を目指した治療が選択肢になることがあります。